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要約
新型コロナウイルスの第1波と戦っていた医療現場では、今年の4月から5月にかけて、病院のベッド数や医療スタッフの体制がひっ迫していました。
新型コロナウイルスの第1波と戦っていた医療現場では、今年の4月から5月にかけて、病院のベッド数や医療スタッフの体制がひっ迫していました。いったん感染者数が落ち着いたものの、7月に入り、東京都内で再び感染が拡大しています。第2波に備え、今、医療現場がどうなっているのか取材しました。 ◇◆医療現場の今六本木近くにある虎の門病院。入り口には院内感染を防ぐための工夫がありました。外来患者は全員ここで体温をはかり、新型コロナウイルスの症状があるかどうか確認します。感染の疑いのある人だけが診察を受ける特別外来。病院では今、感染の疑いのある人とない人のすみ分けが行われています。8日の新型コロナ患者の専用病棟の映像。虎の門病院 臨床感染症科・荒岡秀樹部長「第1波で入院された患者さんと最近入院された患者さんもいらっしゃいます」現在使用されている病床は3床。コロナ対策で確保した17床までまだ余裕がありますが、予断を許さない状況が続いています。◆医療機関が向き合った第1波4月から5月にかけ、都市部を中心に感染爆発が懸念された新型コロナウイルスの第1波。そのとき、医療機関では何が起きていたのでしょうか。別の病院では…4月上旬、昭和大学病院に次々と運ばれてくる患者。ほかの病院からの問い合わせにも…医師「きょうは重症も満床で申し訳ないんですけど入れないんですよね。すみません」新型コロナウイルスのために確保できる病床の数に限界があったのです。都内ではあちこちの病院で患者の受け入れを断らざるを得ない状況に陥りました。◆虎の門病院の第2波への備え第1波で病床を増やした「虎の門病院」。ここは新型コロナウイルスの患者専用の病棟。最初は2月のクルーズ船の感染者、2人の受け入れからスタート。その後、脳卒中の患者専用だった治療室を1週間かけて改修し17床まで拡大しました。虎の門病院 臨床感染症科・荒岡部長「ここはナースステーションです。ナースステーションは安全域、グリーンゾーンとして運用するために周りをアクリル板で囲ったりして改造しています」アクリル板の向こう側は患者がいるレッドゾーン。空間を区切ることでウイルスの流入を防ぎます。ここでは看護師が防護服を着て作業します。しかし、このように病床を増やしても、苦しい状況が続いたといいます。この病院で行ったPCR検査の結果をまとめた記録。第1波まっただ中の4月下旬。確保した17床のうち13床がすでに埋まっていました。23日は4人陽性、24日は2人陽性。毎日、感染者で病床は次々に埋まり、5月上旬には残り1床に。ギリギリの状態だったのです。第2波にどう備えるのか。先週、第1波を振り返る総括会議が開かれました。虎の門病院 臨床感染症科・荒岡部長「東京都での患者増加というのが著しくありまして、感染症指定医療機関の病床のみで多くの確定患者を受け入れることは困難な状況になった」第1波で問題となった「病床不足」。病院は第2波に備え、さらに病床を増やすことを検討していますが、今最も懸念しているのは…荒岡部長「高齢者や基礎疾患がある方に感染が広がってきたときに重症者が急増して医療体制がひっ迫する困難な状況に陥ることが十分ありうるのではないか」それは高齢者が重症になり入院が長引くケース。5月上旬に重症で入院した70代の女性。ずっと取り付けていた人工呼吸器を最近ようやく外すことができましたが、2か月たった今も退院できずにいます。このように重症者の入院が長引く中、次の波が押し寄れば、病床がたちまちひっ迫してしまう恐れもあるのです。◆制度的な改善もそこで東京都は先週、これまでの1000床から3倍にあたる3000床を確保する準備を始めるよう、医療機関に要請。しかし、実際にはすぐに増やすのは難しいのが現状です。なぜなら…虎の門病院 臨床感染症科・荒岡部長「ただ病床を増やせばいいという問題ではないというふうに考えています。何よりも最も重要なのはケアにあたる人だと思うんですよね。担当する医療従事者がいないとそこは回っていかない」◆人手の確保もう一つの課題は「医療従事者の確保」。この病院では全体で応援態勢を構築。感染症科の医師は4人しかいないため、第1波では集中治療科や麻酔科、呼吸器内科など各分野から医師などを招集。第2波が押し寄せた場合も同様にスタッフ総動員で取り組む予定です。そして、スタッフが感染し、人員が減少することのないよう感染予防の教育も強化しました。虎の門病院 臨床感染症科・荒岡部長「ここがレッドゾーンから戻ってくる医療従事者がPPE(防護服)を外す場所。PPEを外すときが一番感染のリスクが高いといわれて、特に医療従事者が気を使うところです」外側についたウイルスに直に触れないよう、ゴーグルや防護服を脱ぐ順番や、手の消毒を繰り返し行うことなどをマニュアル化し、ビデオを作って職員に共有しました。◆長期化で医療従事者は疲弊 メンタル面のケアもそして、医療従事者の心のケアも大切な課題です。臨床心理士が職員60人から受けた相談では、3割の人が「見通しが持てない」ことへのストレスを明かしたといいます。中にはこんな人も――「いつまでと言われればがんばれるのに」「上司は私より大変な思いをしているから弱音を吐けない」この病院でも医療従事者の心のケアが引き続き重要だといいます。虎の門病院 看護部・長谷川久巳次長「(今までと)違うことがストレスになったり、新型コロナの対応が続く限り、その(心のケアの)枠組みも持っておきたいなと」病床と医療従事者の確保、そして、医療従事者の心のケア。虎の門病院 臨床感染症科・荒岡部長「患者さんを継続して安全に受け入れるというのは当然のこととして、対応にあたる医療従事者の安全を守ることも重要なテーマ」
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