エジプトは長く輝かしい歴史を持っています。

視座を移すと歴史が語り始め、母なるナイル、神秘なるピラミッド、そして太陽の子ファラオが語り掛けて来ます。

あの当時のファラオや庶民は、どのような食事をしていたのだろうか。

ナイルの役割、日々の労働から、ファラオの食卓が見えて来るかもしれません。

ファラオの食卓は、エジプト文明と比べ得るポイントにも思えて来るのです。

ファラオの朝は夜明け前から始まります。

召使達はグループに分かれ、掃除や菜園の水撒き、台所では王家で必要とする一日の食事の準備が始まっています。

宮殿内では床磨き、香炉の準備、又別の場所では飼育係が家畜や鳩やガチョウ、牛や羊や猿に餌やりもしています。

やがてナイルの川面を真赤に染めながら、太陽がその姿を現します。

ファラオの一日が始まりました。

アメンヘテプ三世は、50歳を前にして歯槽膿漏に悩まされていました。

執事長は、珍しく起きているアメンヘテプ三世（ファラオ）にミルクをさし出すと、ファラオは寝台の上で一口飲みました。

ファラオの女好きは、12人を超える側女と、100人を超える美女を後宮にいつも抱えているのでわかります。

ファラオは、王位に就く少し前に、2歳年下の女性を妃にしていました。

ファラオは目覚めると風呂に入ります。

風呂桶の脇には、イチジク、ブドウ、蜜入りパン、ミルク壺がテーブルに置かれています。

風呂に入りながら、朝食に好みのものを摂るのです。

夕食は、子羊の足や鴨・鳩の丸焼き、ソラマメの煮物、焼きたてのパン、レタスや香味野菜、ザクロにイチジク、ワインにビールがファラオの食卓に並びます。