「窓開けられない」「マスク大丈夫?」 コロナと熱中症、悩む学校

西日本新聞 一面 本田 彩子

 蒸し暑い日が続く中、本格的に授業が再開した学校現場では、熱中症と新型コロナウイルス対策の両立が課題となっている。感染予防策として換気は大切。一方、多くの公立学校で設置が進むエアコンは一般的に換気ができない。子どもたちは校内で原則マスクを着用しており、体温が上昇しないか心配だ。子ども同士の距離を取る必要もあり、現場は四苦八苦している。

 福岡市の場合、エアコン使用は学校の判断に任されている。同市の中学校の30代男性教諭は今のところ、教室と廊下の窓を全開にし、扇風機を回して授業をしている。小まめに水分補給をし、きついときはマスクを外してもいいと指導するが、生徒は絶対に外さないという。「周りがみんなマスクをしているのに、自分だけ外せないという気持ちがあるのかもしれない。マスクを外していいという自分の指導が正しいのかも、正直分からない」

 同市のある小学校では、教室の窓を開け、常時換気をした状態でエアコンを使う。教室によっては外に置く室外機の温風が入るため、窓を開けられないクラスもある。

 「3密」対策で児童の机と机の間隔を約1メートル空けたため、窓際の席は日光が直接当たる。40代男性教諭は「日差しが当たらないように机を移動させれば、距離が保てない。カーテンで遮っても、窓から風が入り、めくれてしまう」と頭を抱える。実際、窓際の席で直射日光が当たっていた児童が体調不良を訴え、軽い熱中症だと診断された。

 文部科学省によると、公立学校の普通教室のエアコン設置率は昨年9月1日現在、小中学校が77・1%、高校は83・5%。同省はエアコンの使用時にも換気は必要で、可能であれば2方向の窓を同時に開けて換気するよう求めている。

 学校にできる工夫は何か。熱中症に詳しい産業医科大の堀江正知(せいち)教授(産業保健管理学)によると、マスクの着用は息苦しさや不快感はあっても、熱中症の引き金になる体温上昇にはほぼつながらないとの実験結果があるという。窓を開けてエアコンを使用すると室内が十分に冷えない可能性もあるとして、「エアコンの設定温度を気にするのではなく、教室内の子どものいる場所の温度を小まめに確認、調整してほしい」と指摘。直射日光は熱中症につながるため、ブラインドを設置するなどの工夫が必要だと話す。

 

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