北海道警は6日までに、自宅で娘(2)に暴行してけがを負わせたとして、母親の飲食店従業員、池田莉菜容疑者(21)=札幌市中央区南10条西13=と、交際相手の飲食店経営藤原一弥容疑者(24)=同区南12条西8=を傷害の疑いで逮捕した。娘は搬送先の病院で死亡が確認された。死因は衰弱死。
道警によると、十分な栄養を与えられていなかった疑いがあり、頭や背中などには複数のあざが確認された。
札幌市によると、昨年9月と今年4月に計2回、児童相談所に「虐待ではないか」との通告が寄せられていた。道警は日常的な虐待の可能性があるとみて経緯を捜査する。暴行と衰弱死の関連は低いとみている。
逮捕容疑は5月上旬~今月5日ごろ、池田容疑者の自宅などで娘の詩梨(ことり)ちゃんに暴行し、頭や顔にけがを負わせた疑い。道警は認否を明らかにしていない。
5日午前5時ごろ、池田容疑者から「娘が不調だ」などと119番があった。搬送時は心肺停止の状態で、病院が道警に連絡した。
道警や札幌市によると、2回の通告を受けて児相が調査し、虐待の事実はないと判断した。
2回目の通告以降は母子と面会できず、5月15日に警察官が母子と面会。体のあざを確認したが、あざの程度から保護の必要はないと判断し、虐待が心配される状況ではないと児相に情報提供していた。遺体のあざより軽微で、道警は5月中旬以降に激しい暴行が加えられた疑いがあるとみて調べている。
また、札幌市は池田容疑者が、詩梨ちゃんがよく泣くとして障害があるのではないかと悩んでいると道警から伝えられていたと明らかにした。安否確認に加え、相談に応じようとしたが、池田容疑者と連絡が取れなかったという。〔共同〕