熊本豪雨の死者52人に 行方不明10人、8万人態勢で捜索
熊本県南部を中心とした猛烈な大雨で、県は7日、八代市などで新たに3人の死亡を確認したと発表し、死者は計52人に達した。心肺停止は2人、行方不明は10人。災害現場で生存率が下がる目安の一つとされる「発生後72時間」を迎えた被災地では、警察や消防、自衛隊などが8万人態勢で行方不明者の捜索救助活動を続けた。梅雨前線の停滞で被災地では8日も非常に激しい雨が断続的に降るとみられ、予断を許さない状況が続く。
これまでの死者数は人吉市18人▽球磨村17人▽芦北町10人▽八代市4人▽住所不明2人▽津奈木町1人になった。心肺停止は八代市と球磨村でそれぞれ1人。
行方不明者は球磨村6人▽津奈木町2人▽八代市と芦北町でそれぞれ1人。土砂崩れが起きた津奈木町福浜地区の現場では、行方不明の高齢女性とその息子の捜索が続いた。山の麓にあった自宅が跡形もなく流され、7日は捜索範囲を周辺の田んぼにまで拡大したが、激しい雨のため午後5時に中断した。
県は孤立集落について調査。同日午後3時現在、救助部隊などがたどり着けていない完全孤立は、八代市や芦北町などの10地区で280世帯。徒歩で入ることができるものの孤立に近い状態は54地区の2621世帯。球磨村では、今なお78地区1432世帯の村全体が孤立に近い状況という。
県によると、7日午前6時現在、466世帯1893人が避難を続けた。
国土交通省によると、球磨川流域で約6100戸が浸水し、面積は約1060ヘクタールに上るとみられる。県の調べでは、八代や人吉・球磨地域などで28医療施設が浸水被害を受けた。
九州電力によると、県内では7日午後10時現在、2420戸が停電している。