“走る”ライターが、履いて、走って、確かめた
“走る”フリーライターが、履いて、走って、確かめた!

小説「陸王」で注目! きねや足袋の“ランニング足袋”「MUTEKI」を履いて走ってみた

今回ご紹介する「MUTEKI(ムテキ)」は、なんと、日本で昔から親しまれてきた「足袋(たび)」をベースに作られたランニングシューズならぬ“ランニング足袋”。この「MUTEKI」を販売するきねや足袋は、2017年10月期にテレビドラマ化を控えた人気小説「陸王」の執筆時に、著者の池井戸潤氏が取材に訪れたということで注目を集めています。ここでは、ランニング足袋「MUTEKI」を履いて走ってみた感想を踏まえつつ、その魅力をご紹介します。シューズに込められたこだわりを知ることで、小説やドラマをさらに楽しめるかもしれません。

昔ながらの足袋のフォルムを受け継いだ「MUTEKI」。価格は5,000円(税別)と、一般的なランニングシューズに比べてリーズナブル

足にフィットし、自然な着地を感じられる天然ゴムソール

「MUTEKI」には、いわゆる“機能性”というものがほとんどありません。それゆえにムダが削ぎ落とされ、超軽量となっているのですが、1点だけ、ランニングシューズとしてのこだわりを感じる点があります。それが、地面と接するソール部分です。ソールにはやわらかい天然ゴムが採用されており、これがしっかり足にフィット。一般的なランニングシューズのようなクッション材等が使用されていないため、着地した際にまるで裸足のような足裏の感覚があります。

このため、ランニングの際、「足裏のどこで着地しているのか」「体重がどのように移動しているか」がわかりやすく、ムダのないフォームの獲得につながるというわけです。しかもこの天然ゴムソールは、1足ずつ手縫いで縫い付けられているとのこと。老舗足袋メーカーならではのこだわりが感じられますね。

「MUTEKI」のソールには天然ゴムが手縫いで縫い付けられ、裸足に近い感覚で走れます

「MUTEKI」のソールには天然ゴムが手縫いで縫い付けられ、裸足に近い感覚で走れます

自然と中足部から前足部にかけた着地となり、足のバネによる反発が地面へダイレクトに伝わります。するとストライドが伸びて、ぐいぐい身体が前に進んでいく感覚がありました

なお、「MUTEKI」を履いて走ると着地衝撃が直接足に伝わるため、最初は通常より大きな疲労を感じるかもしれません。まずはウォーキングや短いジョギングなどで慣らし、少しずつトレーニングなどに取り入れていくとよいでしょう。継続的な使用が、効率的で疲労の少ないランニングフォームの獲得へつながるはずです。

まさに足袋! つま先部が2つに分かれることで、指先を使いやすい

形状は足袋そのもの。つま先は2つに分かれており、それぞれに「親指」と「その他の指」が入ります。あまり経験したことのない形状で、最初は履き心地に違和感があるのではと思っていましたが、いざ走ってみると、そんなことはまったく気になりません。

初めて足を入れた時は、「なんかしっくりこない」という印象。不慣れだからこそ、親指だけが独立した状態は少し変な感覚でしたが……

足の中でも力の入りやすい親指と、なかなか使いこなしきれない方も多いその他の指。これらが別々になっているためか、まんべんなく指先まで使って走れている気がします

適したサイズを履けば指部分はいずれも多少の余裕があるため、圧迫感がありません。やや親指が外に広がるような気がしますが、これがかえって、前方方向へ推進力を生むのに正しい場所へ親指を設置していることになるのかもしれません。自然と足の指が広がって、力が入りやすくなるようです。

 日本伝統の「足袋」をベースとしたランニング足袋「MUTEKI」。特に「身体のバランスを整えたい」「ムダのない効率的な走りを身に着けたい」という方にとっては、そのベース作りに貢献してくれるシューズと言えそうです。

なお、「MUTEKI」はサイズフィッティングがとても重要です。メーカーによると、「裸足で履く場合は足の実寸に+5mmしたサイズに近いサイズ」「靴下を履いて履く場合は足の実寸に+7mm〜10mmしたサイズに近いサイズ」をそれぞれ選ぶとよいとのこと。足の実寸に基づき、ご自身に合ったサイズを選ぶようにしてください。

新作「Toe-Bi」はデザインもかっこいい!

ちなみに、近々新モデルとなる「Toe-Bi(トゥービ)」が発売予定。発売時期は未定ですが、試用と改良を重ねながら着実に完成が近づいているようです。

シューレースではなくマジックテープが採用され、デザインもシンプルに。見た目のデザイン性は一気に向上したと言えるでしょう

変わったのはデザインだけではありません。「Toe-Bi」には伸縮性のある素材が用いられ、足首部分を隙間なく包み込みます。通気性が高く、長時間のランニングでも快適に走れそうです

三河賢文

三河賢文

“走る”フリーライター。マラソン・トライアスロン競技を中心に、全国各地を走り回りながら取材・執筆中。83年生まれ・仙台市出身。ナレッジ・リンクス(株)代表。

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