なぜ、厚労省は「数値目標」に反対なのか。安倍首相は4月から国会答弁で「1日2万件の検査体制」を敷くと明言、実際に厚労省にもそう支持していた。
ところが実際にはまったく現場が動かず、検査件数は低迷した。役所としては責任を問われかねない数値を明言することは何としても避けたいという思いがあるという。
また、20万件という数値を明確にすれば、保健所を通じた現状の検査体制を、広く民間に開放せざるを得なくなる。これに抵抗しているという見方もある。
いずれにせよ、厚労省が長年築いてきた仕事のやり方やそれに伴う人事利権などが、国民の安心よりも優先されていることだけは間違いなさそうだ。