そんな提言をまとめ上げた小林氏のこと、分科会の初会合では「20万件」体制を整えるよう強く主張すると思われたが、そうした場面はないままに終わった。
では、小林氏が心変わりしたのかというとそうではない。会議関係者によると、小林氏らには「たたき台」という文書が会議に出てくることはまったく知らされておらず、医療専門家系のメンバーと厚生労働省でまとめられたという。
尾身会長が会議前に小林氏を訪ねて議論したとされるが、会議でたたき台を出した尾身氏は「小林先生にも了解頂いている」と突然発言。「そんな進め方になるとはまったく知らなかった」という小林氏は顔を真っ赤にしていたという。厚労省など事務方のペースに完全にはまったというわけだ。