報 道 被 害   梓澤和幸

〈目次〉
報道の使命問う市民の勝利/NHK裁判判決の意味  2007.3.3
集団的過熱取材─状況と対策 マスコミ学会にて
報道被害の現場
  Ⅰ なぜNHKに訂正放送を命じたか(10/16)
  Ⅱ 判決主文
報道被害救済弁護士ネットワーク活動紹介
報道被害救済弁護士ネットワーク設立表明

    リンク 報道被害救済弁護士ネットワーク (LAMVIC)


報道被害救済弁護士ネットワーク設立表明 (2001年7月18日)

  今日まで、報道によって市民が深刻な被害を受ける事件がたくさん起こりました。松本サリン事件のような誤報が発生するたびに、報道が改善されるべきこと、救済の道が開かれるべきことは繰り返し指摘されてきました。報道被害に対応するため、放送に関してはBRO (放送と人権等権利に関する機構) が、新聞社の一部においては社内救済制度が設立されました。
  しかし、それはまだ被害の予防や救済のためには十分ではありません。
  報道による被害は回復し難いダメージとなることがあるので、報道被害が発生しようとするまさにその瞬間に対応をしなければなりません。被害が発生してしまったときは、多くの場合相手が大きなメディアであること、そして抗議の声を挙げることによりさらに大きな被害が生ずるのではないかとのおそれから、被害を受けた人が抗議の声を挙げることをためらっています。
  そこで私たちは、直ちに報道被害の相談を受けて、被害の予防・救済の行動を起こす専門家のネットワークを設立する必要があると考えました。
  報道の自由は極めて重要です。しかしそれは、メディアに対して市民の名誉やプライバシーに優先する 「特権」 を付与したものではありません。確かに、報道内容に公共性があるときに、一定の範囲で優越的取り扱いが許される場合はありましょう。しかし、「報道の自由」 を掲げさえすれば市民の生活を犠牲にすることが許されるというものではありません。市民の生活を踏みつける報道と取材が繰り返されれば、報道の自由は市民の支持を失い、いずれは権力による干渉を招くことになるでしょう。
  私たちは、メディアが報道の自由を守るためにも、報道被害の予防・救済のための自主的な機関をさらに充実されることを望みます。同時に、報道被害を受けた方たちが報道をなしたメディアに対して、自ら積極的に抗議の声をあげることを可能にしたいと考えます。
  私たちは、報道被害を受けた人々の苦しみを受け止め、ともに行動します。そのような理想を掲げ行動する弁護士の集団として、本日、報道被害救済弁護士ネットワークを設立したことを宣言します。

        2001年7月18日

報道被害救済弁護士ネットワーク
代     表 弁護士 坂井   眞
事 務 局 長 弁護士 緑川 由香
事務局次長 弁護士 日隅 一雄
会     員 弁護士 梓澤 和幸
同       弁護士 飯田 正剛
同       弁護士 大武 正史
同       弁護士 大八木葉子
同       弁護士 神田 安積
同       弁護士 坂口季久夫
同       弁護士 佐熊真紀子
同       弁護士 眞田 範行
同       弁護士 高野 泰夫
同       弁護士 佃   克彦
同       弁護士 中村 秀一
同       弁護士 西中 克己
同       弁護士 萩尾 健太
同       弁護士 弘中惇一郎
同       弁護士 森   真子
同       弁護士 渡辺 眞次
  (50音順)
  ※増員見込み