さて、今回は今まで30社以上、50人近くの人材紹介会社のカウンセラーや経営者と会って、人材紹介の副業もしているダジリが転職支援の裏の話を暴露したい。
まず、知っておいた方が良い事は人材紹介会社は大手の人材紹介会社と小さい人材紹介会社によって特徴が違う事だ。
小さい人材紹介会社のメリットとは一人の就職希望者に割くヒアリング、紹介求人の質、日程調整の時間が多く、それが大手の人材紹介会社よりも決定率の高さに繋がっている。
しかし、保有している企業数や求人数は大手の人材紹介会社と比べてかなり少ない。
大手の人材紹介会社のメリットは求人数が多い事だが、条件が良くない求人も多い。
そして、何よりも優秀なカウンセラーがほとんどいないのだ。
大手の優秀なカウンセラーはマネージャーになるか独立する場合が多い。
だからと言って必ずしも小さい人材紹介会社が優秀なカウンセラーがいるとは限らない。
小さい人材紹介会社はしっかりヒアリングをするが、エンジニア等の専門職となると内容を理解しているカウンセラーはあまり多くはない。
大手、小さい人材紹介会社いづれにしても、求人内容や転職活動者のスキルをあまり理解出来ていないカウンセラーが多い印象だ。
しかし、大手の人材紹介会社はほぼカウンセリングが適当で基本的に知識やスキルがないと思っていた方が良い。
確かに求人数が多く、紹介する数は多いが、それはビックデータやレコメンドロジックを使っての自動紹介がほとんどで的外れな求人が多い。
求人を自分で探せる転職活動者は日程調整や内定の断り、年収交渉等を人材紹介会社を代理人として使え、自分がしなくても良い事くらいしかメリットはない。
求人を出している企業も、直接的な応募者の日程調節や選考結果の連絡をしなくても良いというメリットがある。
そして、大手の人材紹介会社の現在の書類選考通過率と内定率はこんな感じだ。
*書類選考通過率:10~30%
*内定率:2~3%
つまり、大手の人材紹介会社の場合、30社以上応募して、1社内定が出るという事だ。
書類選考通過率、内定率に関しては大手の人材紹介会社は応募者が多く集まり過ぎて、あまり高くない。
DODAみたいな人材紹介会社はエージェントサイト内に広告求人(リクナビNEXTみたいな)もある。
広告の大きさ、トップページ掲載、掲載期間によって広告費が変わる。
そして、大手の人材紹介会社は小さい人材紹介会社の代理店として提携している場合が多い。
(小さい人材紹介会社が広告費を出す大手の転職人材紹介会社に出す場合が多い)
なので、例えばDODAやリクナビNEXTに登録すると、他社の人材紹介会社からメールがバンバン来る。
そして、この手の代理店を依頼している小さい人材紹介会社は非公開求人が多く、メルマガで少しでも該当する転職活動者がいれば、無作為に非公開求人を出してくる。
これは現代で最も効果的なマーケティング手法であるDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)である。
DRMとは、集客のために無料もしくは安価な商品を提供して、集めた見込み顧客にダイレクトメールなどで商品を販売していくマーケティング手法だ。
つまり、非公開求人の大量の転職活動者へのメルマガは集客の為なのだ。
小さい人材紹介会社は数少ない求人を出している企業への信用が重要で、要望高く、転職活動者へ紹介出来る数はかなり少なくなる。
小さい人材紹介会社は信用が全てだ。
カウンセラーの主観で転職活動者の応募要件を50%以上満たして、応募出来る場合が多い。
なので、転職活動者は基本的に人材紹介会社へは複数登録した方が良い。
そして、使えない人材紹介会社や上から目線の人材紹介会社は転職活動者の方から切り捨てた方が良い。
最低10社の人材紹介会社を登録しておくと、1人くらい優秀なカウンセラーがつくかもしれない。
数が多い分には構わない。
音沙汰がない人材紹介会社や的外れな求人を紹介してくる人材紹介会社にイチイチ連絡しなくても特に問題ない。(人材紹介会社の都合を聞く必要はない)
そして、人材紹介会社(エージェントの場合)の売上は転職活動者が入社する事で求人を出している企業から得る手数料だ。
紹介料は入社した転職者の年収の約30%~35%が成功報酬の手数料として求人を出している企業に人材紹介会社へ入社日の翌月末に支払われる。(年収1000万円を超えると手数料の上限が決まっている人材紹介会社が多い。中には某J人材紹介会社みたく転職者の年収の200%が手数料とべらぼうに高かったり、特定の条件による特別の求職者の開拓やそのための調査・探索で着手金で〇〇〇〇万円掛かる人材紹介会社もある)
つまり、転職活動者の入社時の年収が上がれば、人材紹介会社のコミッションも上がる仕組みなのだ。
そして、多くの人材紹介会社の契約で入社した転職者が数か月以内に退職した場合、全額が支払った企業へ返金され、半年以内に入社した転職活動者が退職した場合、半額もしくは全額が支払った企業へ返金される。
ちなみに、その場合、転職活動者の紹介の副業をやっている者へも紹介料も返金を求める人材紹介会社がほとんどだ。
(ダジリが副業している人材紹介会社は紹介者に返金を求めない。紹介料は転職活動者の年収の10%~15%が相場だ)
つまり、自分の人材紹介会社の経由の応募で入社しないと売上には全くならずに、転職活動者や求人を出していた企業へした今までのサービスが徒労に終わるのだ。
人材紹介会社のカウンセラーは不動産や保険の営業とは違い、インセンティブは基本的にないが、入社させるノルマはある。
だから、内定が出ると転職活動者が金融商品に変わり、「他の企業の選考中であっても1週間以内に回答出さないと内定が取り消される可能性がある」と煽ってくるのだ。
勿論、選考中の他の応募者の選考もあり、1週間以内に内定を受諾しなければ、内定を取り消すという企業も中にはあるが、大抵が嘘だ。
全く人が集まらない求人や複数人の募集の求人に関しては、1週間で内定を取り消される状況になる筈がない。
その嘘がバレない様に転職活動者が企業へ確認をさせない為に、内定を受諾するまで、転職活動者と企業への直接のメールや電話のやり取りは契約上、禁止されている。
そして、内定が出た企業の担当しているカウンセラーは他の企業の選考状況を聞いて、内定先の企業の良い所や他の企業の悪い所を言って、さらに内定受諾を煽って来るのだ。
また、仮にその人材紹介会社経由で応募した企業の内定を受諾しようと思っても、稀に他の登録している人材紹介会社からその旨を連絡して、「視野や可能性を広げる為に、もう少し活動して他の企業も受けた方が良い」、「内定先より良い条件の求人がある」と言ってくる人材紹介会社もある。
最後にエージェントとは違う、リクナビNEXT、エン転、Type等の広告求人について少し説明しよう。
大量に募集したい求人の場合は、エージェントではなく、広告求人をしている企業が多い。
何故なら、始めに広告費さえ払えば、入社時に一人一人に高額な手数料を払わなくても良いからだ。
勿論、もし全く入社しなかったら無駄金に終わるというリスクがある。
しかし、エージェントと広告求人、両方で募集している企業は出来る限り、広告求人経由で入社して欲しい筈だ。
だから、これから転職活動をしようと思う方はエージェントと広告両方、複数の人材紹介会社を登録して始める事をおススメする。
(目安としてエージェント10社程度、広告3社程度)