日本の防衛について考える
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週末に静岡の東富士演習場で、陸上自衛隊の火力演習を見ながら、日本の防衛について考えてみた。
実弾を使う最大規模の演習なので、どのくらいすごいかと言うと、砲撃の大きな音で頭痛がするほど。
素人の感想で申し訳ないが、戦車がすごいスピードで走りながら撃ち、しかも全部標的に当たるのには驚いた。
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今回の演習の最大の見どころは、3月にできたばかりの日本版「海兵隊」と呼ばれている、水陸機動団も参加した離島奪還訓練。まるで映画かゲームを見ているように、きびきびと統制がとれた動きだ。
水陸機動団は沖縄の米海兵隊とも共同訓練をしているが、その訓練を見に行った元自衛隊幹部は「ウチの方が動きがいい」と言っていた。
日本防衛の課題は「人材」
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いったい日本の自衛隊ってどのくらい強いのだろう。
米国の軍事力評価機関である「グローバルファイヤーパワー」によると、日本の軍事力は、米国、ロシア、中国、インド、フランス、英国に次いで世界7位らしい。
しかも日本より上の国はみな核保有国なので、核を持たない国の中では日本が一番強い!
数年前、尖閣が今より緊迫しているころ、防衛省の幹部に、「中国と戦争になったら勝てるか」と聞いたことがある。答えは「勝てる」であった。
「中国は特に海軍が弱く、空母もまだ機能していない。米軍もいるし負けることはない。」
「ただし、中国はすごい勢いで軍備を増強しているので、数年後はわからん」ということだった。
聞いてから数年たっているがまだ大丈夫なのだろうか。
「日本防衛変革のための75の提案」をまとめた金田秀昭元海将に、日本防衛の最大の課題は何かと聞いたら、実は、少子化で自衛隊員が足りなくなること、だそうだ。
非常に厳しく、辛い職場なので、隊員が誇りをもって働ける環境を作ることが必要だ。
最大限の敬意を
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ふと周りを見回すと自衛隊員はみな迷彩服を着ている。
演習をしている人だけでなく、トップの統合幕僚長の河野さんも、陸幕の広報の人も、ゲストの在日米軍の人たちも全員迷彩服。
聞いてみると「部隊にいる時はほぼ迷彩服ですね」ということだった。
だから災害現場での救助活動の時も迷彩服を着る。
「迷彩服は人殺しの服」とか「違和感がある」などと言われたのは辛かっただろう。
こんなことを言う人たちは災害に遭っても自衛隊に助けてもらわないのだろうか。
命を懸けて日本人と日本の国土を守っている人たち対し、我々は最低限の敬意を払うべきではないだろうか。
(執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫)