4月1日から原子力科学館別館で一般公開
JCO臨界事故の展示模型 東海村が経済産業省から委託を受けて制作したJCO(ジェー・シー・オー)臨界事故の展示模型が、東海村村松の原子力科学館別館に完成し、3月28日、国、県、村などの関係者が出席して展示模型の開設式が行われました。
 一般公開は4月1日からとなります。
 JCO臨界事故が起こった沈殿槽などの設備の取り扱いをめぐっては「事故を記憶を風化させないために現物を保存すべきだ」「新たな気持ちで村づくり行うためいは、全面撤去すべきだ」と村を二分する議論が巻き起こりました。約1年間の論議の末、国が原寸台の模型を作り、設備は将来復元可能な形で解体・撤去することで決着しました。
Buzznet.jpに掲載されています 完成したのは、事故の起きた沈殿槽を中心にした実物大模型で、沈殿槽は円筒形に近く、周囲の配管や階段なども含め、模型は高さ約2メートル30、横約3メートル10、奥行き約1メートル50。表面の色も事故当時と同じに仕上げてあります。模型脇には事故を解説する映像モニターが設置され、ナレーションに従って、沈殿槽の前半分が下にスライドし、沈殿槽の中で起きた臨界の状態を示す仕組みとなっています。
 28日午前に行われた記念式典では、村上達也村長が「東海村は、失敗の教訓を忘れてはならない、風化させてはならない。この臨界事故の教訓を後世に伝えていきたい」と述べました。村長の挨拶の後、今回の展示模型製作を監修した元原子力安全委員会委員でJCO事故調査委員会委員の住田健二大阪大学名誉教授による講演「JCO臨界事故を顧みて」が行われました。
(写真上:展示用に作成された臨界事故の模型、写真下:実際に臨界事故を起こした沈殿槽(井手よしひろ撮影・2003/9/19))
参考:原子力科学館のホームページ