結腸粘膜には小腸に見られるような輪状ヒダがありません。
また絨毛突起もありません。ヒダは縦横に走る不規則な走行で見られます。結腸にはくびれをつくる膨起があり、このくびれ間に特有の半月ヒダを作ります。
結腸ヒモ
結腸ヒモ
結腸ヒモ(外縦走筋層)
内輪筋層
内輪筋
結腸ヒモ
(外縦走筋)
結腸の横断標本で観察すると外縦走筋層が3カ所で発達
し外方に飛び出しているのが観察されます。これを結腸ヒ
モと呼び、外側から見ると白い3条のヒモからなっています。
上行結腸と下行結腸はこのヒモの部位で腹壁に固定され
ます。また横行結腸間膜や大網もこの位置でつながります。
(HE染色)
結腸ヒモの拡大です。縦走筋はヒモの部位で厚く肥厚し
他の部位では内輪筋と比較しても縦走筋は薄くなってい
ます。(HE染色)
間膜と結腸
結腸で間膜が見られるのは横行結腸とS状結腸です。
上行と下行結腸は腹壁に固定されています。また結腸
の始まりの盲腸には虫垂がありこれも間膜を持ちます。
大腸
ae
tc
S状結腸でみる結腸の外観です。結腸には外縦走筋が外
側に膨らで発達した3条のヒモが観察され、これを結腸ヒ
モ(tc)と呼びます(間膜ヒモ、自由ヒモ、結腸ヒモ)。上行と
下行結腸はこのヒモの一つである間膜ヒモにより腹壁に固
定されます。横行結腸も結腸間膜の位置でヒモとつながり
ます。また結腸には漿膜下組織の脂肪が垂れ下がった腹
膜垂(ae)があります。結腸で見られたヒモは直腸になると
見られなくなります。
直腸にはヒモと膨起がなくなり、外縦走筋は全周を走ります。
直腸の中間には拡張できる部位があり、これを直腸膨大部
といい、充満することにより便意を起こします。粘膜ヒダは縦
ヒダに変わっています。
新鮮な結腸粘膜ヒダと上皮(紫色)の状態が分かります。
ここでも3カ所の結腸のヒモと厚い筋層が見られます。
(HE染色)
内輪走筋
外縦走筋