内食 過去最大24% 家庭需要高まる 5月家計調査

 総務省が7日発表した5月の家計調査(2人以上世帯)で、消費支出に占める家庭内食(内食)の比率が24・3%と、比較可能な2000年以降で過去最大だった。新型コロナウイルス禍で外出自粛や休業が広がった影響で外食が引き続き大幅減となった。巣ごもり需要に加え、消費者の節約志向から支出を抑えられる家庭調理のニーズが高まっている。

 家計調査の食料支出から、中食を示す「調理食品」と外食の支出額を差し引き、消費支出全体に占める割合を、日本農業新聞が独自に試算した。

 政府の緊急事態宣言が発令された中で、5月の全体支出額は16・2%減の25万2017円と、下落幅は過去最大を更新した。食料支出は前年同月比5・4%減の7万8272円となり、うち外食が59・9%減の6547円と大きく落ち込んだことが影響した。一方、内食は同16・6%増の6万1167円となり、その割合がさらに高まった。

 分類別では、生鮮肉(牛・豚・鶏肉)が23・4%増と過去最大の伸びだった。牛肉は家庭での焼き肉消費が活発だった。単価の高い国産牛肉も、和牛相場が下がり割安感が出たため販売が進んだ。豚、鶏肉も大きく増加した。ヨーグルトやチーズなどの乳製品が好調だった。

 米は7・0%増と4カ月連続で増加。買いだめが発生した2、3月以降、苦戦が予想されたが、家庭向けの販売は順調に進んでいる。冷凍チャーハンなど主食的調理食品も4・0%増えた。

 麺類は25・4%増の大幅増でパスタを中心に増加している。一方、主食の中で支出額の大きいパンは回復傾向にあるが、3カ月連続で減った。

 生鮮野菜は8・9%増。巣ごもり需要が拡大した。中でもキャベツやハクサイ、キュウリなどは家庭で作る漬物需要が追い風となった。ネギ、ジャガイモ、トマトも伸びた。「外出自粛で家にいる機会が多く、家庭での調理が増えた」(同省消費統計課)とみる。

 果実は、リンゴなど日持ちする品目の消費が増えた。イチゴなどは自宅で作るケーキ用のトッピング需要などがあった。

 外食は59・9%減で、過去最大の下落幅だった4月に続く大幅下落。緊急事態宣言による外出自粛と休業が響いた。

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