次世代基盤政策研究所(NFI) 設立記念シンポジウム
次世代基盤政策研究所(NFI) 設立記念シンポジウム
【開催要項】
1. 日 時 2020年7月7日(火)13:00〜17:15
2. 会 場 オンライン開催
3. 主 催 次世代基盤政策研究所(NFI)
4. 参加費 無料(要事前登録)
5. その他 申込みはPeatixにて
【開催趣旨】
メインテーマ:ポストコロナ時代の国家のあり方
新型コロナ感染症の流行は、人類がこれまで形成しきた国家のあり方、国家のイメージを大きく変えた。一言でいえば、成熟した民主主義社会で潜在化していた“国家権力”が顕在化といえよう。
しかも、その国家権力はこれまでのような警察力だけではなく、近年発達したICTを活用した新たな形態の権力である。世界中の感染症の蔓延によって混乱した国々における感染の状況が、リアルタイムに近い形で伝達され、各国政府はそうした情報を活用して、対策を打ち出し国民の行動を制御しようとしている。感染者を位置情報によって追跡しようとするコンタクト・トレーシングがそのよい例である。
このような国家は、もはや以前の姿には戻らない。それでは、これからの国家はどのようになるのであろうか。
複雑化した社会において国民生活の安全と充分な福祉サービスを提供する主体となりうるのか。あるいは、国民の行動や生活に対する監視によって、法と秩序を実現することになるのであろうか。
これからの時代の基盤政策の研究をめざすNFIの設立記念シンポジウムでは、これまで意識下に置かれていた“国家”の役割、そのあり方について、あえて問うことにした。
第1部では、「国家とは何か?──歴史的考察と現代国家の特質」と題し、近年では論じられることが少なくなった「国家」について論じる。
まず、理事の曽我部真裕氏から、
「19世紀の自由放任国家、20世紀の福祉国家など、国家の役割は時代によって変化してきた。国家像の変化に伴って、国家権力行使のあり方、他のアクターとの関係、ガバナンスのあり方なども変化する。今日のグローバル化、デジタルシフトの時代にあって、国家の役割をどのようなものとして認識すべきか」
と問題提議していただき、その後で、はたして現代の国家は、国民にとって危険な存在なのか、安心と安全を保障してくれる保護者なのか、国家観の変遷と現代における国家のあり方について討論することにしたい。
第2部では、「ポスト・コロナ国家における情報政策」と題し、コロナ感染症の拡大により一躍注目されるに至った国家によるデータ収集とその利用のあり方について、基盤的情報政策はいかにあるべきかという観点から論じる。
まず、理事の宍戸常寿氏から、
「データの利活用と保護のあり方については、既存の法制度をめぐる繁文縟礼、海外動向や感染症等の外発的要因による混乱等により、データ駆動型社会へ向けた議論枠組みが十分共有されていないように思われる。本報告では、「データの自由/データによる自由」と「データのガバナンス/データによるガバナンス」という二つの対称軸を立てながら、問題提起」
を行っていただき、これからの国家、社会における国民にとってより安全で利便性の高いデータ利用のあり方、それを実現するための制度デザインについて考察することにしたい。
13:00
開会の挨拶 森田 朗 次世代基盤政策研究所(NFI) 代表理事
第1部:国家とは何か?──歴史的考察と現代国家の性質
13:05〜13:30(25分)
1.「『新たな中世』における国家の役割」
曽我部 真裕 京都大学教授、NFI 理事
13:30〜14:30(60分)
2.パネルディスカッション
司会:森田 朗 津田塾大学教授、NFI 代表理事
宍戸 常寿 東京大学教授、NFI 理事
橘 幸信 衆議院法制局長
曽我部 真裕 NFI 理事
14:30〜14:40 休憩(10分)
第2部:ポスト・コロナ国家における情報政策
14:40〜15:05(25分)
1.「データのガバナンス/自由とデータによるガバナンス/自由」
宍戸 常寿 NFI 理事
15:05〜16:05(60分)
2.パネルディスカッション
司会:森田 朗 NFI 代表理事
鈴木 正朝 新潟大学教授、NFI 理事
山本 一郎 情報法制研究所上席研究員、NFI 理事
宍戸 常寿 NFI 理事
16:05〜16:15 休憩(10分)
第3部:NFI組織紹介と今後の活動について
16:25〜17:00(35分)
森田 朗 NFI 代表理事
17:00 閉会の挨拶
森田 朗 NFI 代表理事
NFIは2019年8月8日に開催された「堀部政男情報法研究会・森田朗行政学研究会共同シンポジウム」における議論の盛り上がりを受けて、森田朗行政学研究会の研究活動を継承するかたちで設立されました。