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外れスキル《木の実マスター》 〜スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について〜 作者:はにゅう@『死者蘇生』発売中!

第二章

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レーナのお願い

「ごめん、お待たせ」

「大丈夫でしたか……? ライトさん」

「うん、また変な奴に絡まれたよ。この格好でギルドに来ると喧嘩を売られやすいのかもな」


 レーナの目の前で。

 ライトとアイラはまるで何事もなかったかのように会話を始める。

 あれほどの身のこなしができるなら、冒険者としても十分に活躍することができるはずだ。

 むしろ、農民として留めておく方がもったいないだろう。


 ライトと離れてからたったの一か月。

 いつの間にこれほどの強さを身につけたというのか。


「ラ、ライト。今のはどういうこと? それに、そのお金はどうしたの?」


 レーナは満を持してライトに問いかける。

 詳しく説明してもらうまで、ここを動く気はない。

 ライトもそのレーナの気持ちを察したようだ。


「この金はオーガを倒した報酬だよ」

「オーガ……? それってあのオーガだよね? それなら並みの人間が倒せる相手じゃないけど……」

「ああ、《剣神》のスキルがなければ絶対に無理だったな」


 剣神――と、確かにライトはそう言った。


 レーナの頭で何かが引っかかる。

 ライトのスキルは《剣神》などではない。

 スキルの実は一度しか食べることができないため、相対的にスキルは一人一個だけだ。


 ならばどうして。

 レーナがそれを聞こうとしたところで、ライトが先に口を開く。


「信じられないかもしれないけど、俺はスキルの実を何個食べても死なないみたいなんだ。それで、今は《木の実マスター》と《剣神》の二つを持ってるということになる」


 そう言うと、ライトはアイラの方に目を向けた。


「まあ、これはアイラが教えてくれたんだけど」

「アイラちゃんが……?」

「えっと、私のスキルは《鑑定》なので、ライトさんにそれを伝えることができました」


 アイラの言葉。

 レーナの中で、全てが繋がったような気がした。


 先ほど、レーナが《剣聖》のスキルを持っていると知っていたこと。

 ついでに、ギルドで暴れている男のスキルも見抜いたこと。


 アイラが《鑑定》のスキルを持っているというなら辻褄が合う。

 そして、そのアイラが言うのだから間違いはない。


 ライトは二つのスキルを持っているのだ。


「……すごい! すごいよ、ライト! 聖女さんに絶対無理だって言われたのに!」


 今の状況を理解したレーナは、ライトの手を取って心から喜ぶ。


 農民としてしか生きられないと宣告された時のライトの顔を、レーナは今でも覚えていた。

 その時に感じた悔しさはレーナも同じである。


 ライトと別れた後、聖女に何度も頼み込んだが解決法はないと言われるだけ。

 休みを確保できた日には資料を読み漁ったが、それでも良い情報は集まらなかった。


 そんな日々が積み重なり、レーナも諦めかけていたところでの再会。


 レーナは出そうになった涙を何とかこらえる。


「本当に良かった……ずっと心配してたから」

「レ、レーナ?」


「ライトにアイラちゃん。お願いがあるんだけど……いいかな?」


 アイラがコクリと頷くと、レーナは笑みをこぼして話を続けた。


「どうか……私の仲間になってください」



応援、本当にありがとうございます!

レーナなりの努力があったみたいです!


『面白そう』『次も読みたい』


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