九州豪雨・避難所でのコロナ対策 クラスター発生リスクを下げる工夫は?

2020年7月7日 13時54分
熊本県人吉市の避難所。新型コロナウイルス感染防止のため間隔を広げ、ついたてで仕切りをしている=6日(共同)

熊本県人吉市の避難所。新型コロナウイルス感染防止のため間隔を広げ、ついたてで仕切りをしている=6日(共同)

  • 熊本県人吉市の避難所。新型コロナウイルス感染防止のため間隔を広げ、ついたてで仕切りをしている=6日(共同)
 新型コロナウイルス感染が収束しない中で発生した熊本県南部の豪雨。避難所では検温や消毒を徹底するが、3密(密閉、密集、密接)を避けるのは難しい環境にある。住民からは「感染は心配だが、気にしていられない」と諦めの声も上がる。専門家は「できるだけ感染リスクを下げる工夫を」と呼び掛ける。
 人吉市の体育館に避難する折尾和子さん(69)は「風通しのいい、人の少ない2階の端を選んだ。血圧も高いので注意している」。2時間ほど濁流の中で助けを待ったという黒木ミスズさん(75)も「水に漬かった時と同じ服をずっと着ている」と衛生面を心配した。
 運営に当たる市教育委員会の迫田洋子課長補佐は「コロナがなければ1500人は入るが、今は最大670人。6日現在で638人が避難しており、余裕がない」と説明。人と人の間隔を広げて、ついたてで仕切り、換気もしている。
 迫田氏は「集団感染が起きないよう小まめに掃除するなど注意している」と話し、体調の悪い人は別の部屋に分けた。それでも、感染が疑わしい人が出れば、保健所へ連絡する必要があるが、固定電話がつながらないなど限界もある。
 避難所でクラスター(感染者集団)発生を防ぐにはどうすればいいか。ウイルス流行下の水害対策ガイドをまとめた岐阜大の小山真紀准教授は「3密状態が避けられなくてもできることはある」と話す。例えば、飛沫感染を防ぐため▽少人数ごとの区画をつくり別区画との接触を避ける▽高い仕切りを設置▽大声で会話しない―などだ。
 小山氏は「リスクをゼロにはできないが、低くはできる。電気や通信が復旧すれば、オンラインで行政やボランティア団体と連絡もできるだろう」と話した。
(共同)

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