こんなことを言うとますます混乱するかもしれないが、せめて今できることは、メディアが専門家を選ぶ際の基準を厳格にすることだろう。そしてメディアに携わる人々は、ぜひ科学的リテラシーを高めるように勉強してほしい。
これはまた、メディアだけでなく複雑な時代を生きるわれわれすべてにも当てはまるだろう。
今回の騒動で奇妙なことは、感染症という問題に政治的立場を持ち込んでいる人が、メディア上ではとても目立つということである。
つまり、反権力の人たちが、政府や厚労省に反対するあまり、非科学的な陰謀論や特定の「専門家」たちに踊らされているという構図である。
感染症に立ち向かうとき、政治や思想も大事かもしれないが、まずは科学的な思考を一番の拠り所として、普段の立場を離れて共に手を携えることができないものかと思う。
科学との付き合い方について、アインシュタインはこのようなことを述べている。
繰り返すが科学も万能ではない。だからと言って、噂話や陰謀論など、より頼りにならないものに頼ることは危険である。