山田拓美氏からの申し出に関する説明

2020年6月19日付で「ラーメン二郎」の商標保持者である山田拓美氏より「宅二郎はラーメン二郎と類似している」「黄色い背景はラーメン二郎の代名詞である」等の申し出があり、 「当店の屋号、赤字、黄色などの色を変更するように」「対応を回答するように」との申し出がございました。

本件に関し、法律の専門家によると「山田拓美氏の申し出に対し、何らかの対応や返答等の義務は一切ない」とのコメントを頂いている中ではありますが、 当店はラーメン二郎(山田拓美氏、関連会社を含む)やその他のラーメン店とは無関係の 「コロナウィルス対策として開業したテイクアウト・宅配を専門とする完全オリジナルの豚ラーメン店」であり、 当店としてもラーメン二郎と誤認されることは非常に不本意であるため、山田拓美氏からの申し出に添うよう、 注文時の商品説明等へ「ラーメン二郎とは無関係であり全く異なる旨」を表示したことをご報告致します。

なお、経緯を知らないお客様が商品説明等を見た際に、上記を記載していることに対して疑問を生じる可能性がありえるため、 以下に「ラーメン二郎」に係る商標に関する登録等の状況、山田拓美氏の主張している内容や根拠、 専門家の意見を踏まえた当店の認識及び対応の理由等を記載致します。

1.ラーメン二郎及び関連する商標権について

・山田拓美氏が保有する商標について

山田拓美氏が保有する商標は以下の3つです。
・商標登録4652738
 ラーメン二郎
 特許庁ページ

・商標登録5520032
1
※以下特許庁ページより山田拓美氏からの申し出確認のために抜粋
 特許庁ページ

・商標登録5520033
2
※以下特許庁ページより山田拓美氏からの申し出確認のために抜粋
 特許庁ページ

 詳細は、特許庁ページへの各リンクをご参照下さい。
 なお、登録商標について上記であることは、山田拓美氏からの申し出に基づきます。



・「二郎」の名称が含まれる商標について

紋二郎」 「玉二郎」 「総二郎」 「ラブ二郎」 「宗二郎」 「麺屋二郎」 「塩二郎」 など「二郎」という文言を含む多数の商標が山田拓美氏以外の第三者により登録されています。詳細は、各名称のリンク先(特許庁ページ)をご参照下さい。
なお、専門家によると「二郎」という二文字の単語自体は一般的な人物名称であり商標登録は認められないとのことです。



・「宅二郎」について

当社が商標申請しており、2020年6月30日現在で出願は完了しており、審査待ちです。(商標登録には通常1年程度要するとの説明を受けております。)
特許庁による審査において商標登録が確実であることは保証されておりませんが、 事業を実施するにあたり事前に当然行う商標に関する調査においては、複数の弁護士・弁理士から「宅二郎」が問題なく商標登録される可能性が高いこと、 また、仮に特許庁により拒絶された場合にも営業の名称として使用することは問題がない旨の確認を行っております。



2.山田拓美氏からの申し出について

・山田拓美氏からは、「ラーメン二郎」と「宅二郎」の看板について、以下のような主張をされています。

・ラーメン二郎の店舗看板は「黄色地に上段に赤色文字で『ラーメン』、下段に黒色文字で『二郎』と二段表示」している
・宅二郎の看板は「黄色地に上段に赤色文字で『麺屋』、下段に黒色文字で『宅二郎』と二段表示」している
・これらが酷似している

これらの主張は当店では異なると認識しております。なお、以下に当方で撮影した看板を掲載致します。
3
※左側がラーメン二郎の看板であり2020年6月30日に撮影。右側が宅二郎の看板であり2020年6月30日に撮影
なお、当店の店舗看板において「麺屋」と「宅二郎」の文字が二段に表示されていたことは開業後、現在まで一切ございません。(そのため、山田拓美氏が申し出にあたり当店の店舗を確認したのかということから疑問を感じております。また、参考までに、山田拓美氏が保有する商標ロゴは、前述の通り丸形に「黄色」と「黒色」の2色のみを用いた画像2つとなり、赤色は使用されておりません。)
その他、専門家からは他業種における店舗外観の事例を例示したうえで説明がありましたが、他店・他業種に関して当店が似ている・似ていないの判断をするものではないため掲載を割愛致します。



・山田拓美氏の申し出によると「黄色い看板はラーメン二郎の代名詞」であるとの主張をされています。

上記に関しては、黄色い看板を使った大手ラーメン店や老舗ラーメン店は、例えば「幸楽苑」(昭和29年創業 敬称略)、 「ホープ軒」(昭和10年創業 敬称略)など「ラーメン二郎」が存する前から存在しています。
その他「来来亭」「博多天神」(敬称略)なども黄色を背景としたラーメン店の一例です。その他、背景を黄色に赤い文字色をベースとしているラーメン店も多数見受けられます。
また、カップラーメンや袋麺においても黄色や赤字をベースとした多数の商品が市場には存在しております、
上記及び専門家の意見も踏まえ、当店では「黄色い看板」がラーメン二郎や特定のラーメン店・ラーメン商品の代名詞となるものではないと認識しております。
なお、当店の店舗看板をデザイン及び制作した業者によると、当店の看板に用いている色について黄色は「#FFFF00」、赤色は「#FF0000」を用いており、これは最も一般的な通常色であるとのことです。



・山田拓美氏によると上記の通り酷似しているため、当店に対して「名称、表示の地色・文字色を変更するように」との申し出がありました。

専門家の意見も踏まえ、当店としては上記申し出に対しては、当店が対応をする必要性が一切ないと考えております。

3.当店の対応について

当店の豚ラーメンは品質の高い完全オリジナルであり、小麦は一等粉のみを使用し、宅配に最適化した伸びづらい麺は、コロナ禍でもご自宅で安全にお楽しみ頂けるよう当店にて独自に開発したものです。

またタレは料理専門家と共に選定した醤油をベースとしており、外国誌掲載の著名料理人と共に開発したカエシを用いています。 スープも豚の他に鳥その他の素材を使用しており、チャーシューについても日本料理人と開発した独自のチャーダレ(カエシとは使用している醤油から異なる)を用いており、完全オリジナルなラーメンです。

また、コロナ禍において多くの方の外出自粛を促すために、宅二郎では徹底したコロナ対策を行なっており、テイクアウト・宅配を専門とした営業形態にも明確に特徴がございます。

そのような中、ラーメン二郎と誤認されることがもしあれば、当店としてもそれは大変不本意であると考えております。つまり、上記の山田拓美氏による申し出について「申し出の根拠の是非や対応の必要性」はさておき、「誤認を回避したい」という想いは同じであるといえます。



また、当社に対して「ラーメン二郎が外資系コンサルティング会社の専門家に依託した上で、いわゆる二郎インスパイアと呼ばれる店舗や、二郎の単語を使ったラーメン店や商品を貶めるような行為を行なっている。」という匿名の通報が本件山田拓美氏からの申し出と近しいタイミングで複数届いております。

上記に関しては詳細な個人情報も含まれている中、通報や内容の真偽が不明であり、現時点において弊社として何らかの対応をとる予定はございません。当店はこのような不当に営業を妨害することはございませんが、 当店としては通報のようなラーメン二郎関係者その他第三者の方々より悪質な嫌がらせをされる可能性が生じ得るのであれば、それは大変遺憾に感じる次第です。
そのため、専門家から「山田拓美氏の申し出に対し、何らかの対応を行うことや、返答する義務すら一切ない。」「工事その他負担を負う必要性も、返答に人手を割く必要もない。」との意見もある中、
山田拓美氏からの申し出に添うよう「ラーメン二郎とは無関係であり、全く異なる」旨を「Uber Eatsでの商品説明」、「テイクアウト時のメニューの上部」等に明瞭な表示の実施を対応として行った次第です。



最後に、専門家より参考資料として当社に送付頂いているもののうち、ラーメン二郎の創業経緯等について山田拓美氏のインタビューページがございますので以下リンク先を掲載させて頂きます。
・山田拓美氏のインタビュー(リンク先の2019年8月をご参照)
・山田拓美氏のインタビュー(リンク先はPDFファイルとなります。)



上記経緯等により、冒頭に記載の通り商品購入ページ、店舗看板付近、その他購入時に目につく説明等において、ラーメン二郎とは無関係であり、全く異なる旨を記載する対応を行っておりますので、ご報告申し上げます。

店主 吉岡宏純