韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が3日、国家情報院(韓国の情報機関。国情院)トップに朴智元(パク・チウォン)元「民生党」議員、統一部(省に相当)長官に李仁栄(イ・インヨン)「共に民主党」元院内代表を内定した。また、徐薫(ソ・フン)国情院長を青瓦台(韓国大統領府)国家安保室長に内定するなど、外交・安全保障ラインを全面的に入れ替えた。イム・ジョンソク元大統領秘書室長と鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は大統領外交・安保特補に内定した。
北朝鮮が最近、開城工業団地の南北連絡事務所を爆破し、文大統領が推進してきた対北融和政策が失敗したのではないかという批判論が出ている時点で安全保障ラインが電撃刷新されたのだ。朴智元・李仁栄の両氏は、これまで対北交渉に関与してきた経験があったり「民族優先」を強調してきたりした人物。文大統領が両氏を前面に押し出し、南北関係に活路を開くための「勝負手」を打った、という分析が出ている。
朴智元氏は3日、「歴史と大韓民国、文在寅大統領のため愛国心を持って忠誠を尽くしたい」と語った。徐薫氏は「慎重に対応しつつも、時には大胆に動けるよう準備する」とした。李仁栄氏は「平和の門が閉ざされる前に再び平和の道を開かなければならないという切迫感で指名手続きに応じた」とコメントした。
朴氏と徐氏は金大中(キム・デジュン)政権時代の2000年、南北首脳会談を推進する過程で呼吸を合わせた。当時、朴氏が中国・北京で対北密使として交渉を行う際、徐氏は国情院の実務者として陪席していた。徐氏は現政権の国情院長として、3回の南北首脳会談の「産婆」役も務めた。李氏は全大協(全国大学生代表者協議会)議長出身で、学生時代から統一運動を行ってきた。
キム・ミンソク青瓦台報道官は、今回の人事について「国情院が国家安全保障という本然の業務を忠実に遂行し、国情院改革を引き続き進めていくことに寄与するだろう」とし、「統一部長官内定者は、南北関係を創意的・主導的にほぐして行って南北間の信頼回復を進展させる適任者」と評した。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者