官能の大海／エロ民俗

またあり得ない体位の画像を載せてしまいました。本文とは関係ありません。
ペーター・フェンディ画。（「ギター弾き」とありますが、バイオリンのまちがいではないかしら？　『図説・エロスの世界』より）

さて、以前にもちらりと書きましたが、わが国で「正常位」とされている体位は、さほど「正常」でもないようです。いつごろ、どんな人が正常と決めたのかしら.......まあだいたい想像はつきますけれど。

不確かで申し訳ありませんが、昔は多くの民族で横向きに寝そべりながら挿入する横臥位が普通だったという話を、聞いたことがあります。
昔の庶民は家族が同じ部屋で寝るのが普通でした。たしかに横向きにするほうが、物音も立たないし、隣の人にぶつからなくてすみそうです。

生物学的に見れば、お猿に先祖還りしたような後背位が、いちばん自然なようにも思えます。
人類が二本脚で立って歩くことを覚えたとき、それまで露出していた牝のまむこは、脚のあいだにひっこみました。難しい位置ですけれど、逆にイロイロと工夫のしがいがあるというものです。サバンナのご先祖様に感謝です。

太平洋のとある島では、座りながらするのが一般的です。
淑女が木にもたれて座り、脚を広げる。殿方が淑女と向かい合って座る。殿方は自らのちむぽを手に持って、それで淑女のまむこを軽く叩く。湿り気をおびてきたところで挿入する。
いわゆる正常位をいたすこともあるのですが、それは戦時中に日本軍が教えたもの。ちょっと変態的な遊びと見なされているそうです。

のしかかる殿方のようすがつぶさに見え、逃亡が困難であり、じっと見返せば「目を閉じろ」とか何とか言われる正常位。
アンナは日本人ですから、正常位が基本と思って育ちましたが、よく考えると男性中心の体位（文字どおり男性上位）。淑女にとっては怖さをおぼえる体位なのかもしれません。

たしか昭和五十年代の話だったと思います。
ある女性が知人男性の運転する車に乗ったところ、シートを倒されて、レイプされました。
女性は泣き寝入りせずに、裁判を起こしました。ところが負けてしまいました。
裁判官はこんな判決を下したのです。
「性交とは女性が仰臥開脚し男性が乗っていたすものであり、この体勢を取ったのであるから、合意の上での性行為と見なされる」
裁判官はいつも家で奥さんとそうしていたのでしょうね。女性解放運動家たちの笑いものになったことはいうまでもありません。