ゼイティム

影革(27)

<こんな漫画!>

世界的発明家・ヤキール博士が作ったロボット・マルワンと、発明家を夢見る少年・カナオを巻き込んで、世界を揺るがす大事件が…!?

<ここを評価!>

６０ページに渡って、全く手を抜かずに描きこまれた原稿は、圧巻の一言。機械だけでなく、研究所の雰囲気を伝えるための膨大な書物や発明品など、世界の作り込みは素晴らしかったです。また、構図のバリエーションが豊富で、まるで映画のような画面がたくさんありました。今後の絵の課題は「メリハリ」。今の原稿は、全部の楽器が大音量で演奏しているオーケストラのようです。力を抜くコマ・絵を作ることで、もっと見せたい絵がはっきりしてきます。クオリティの高い絵に比べて、ストーリーについては「児童向けヒーロー漫画」という印象を受けました。キャラクターもギャグも紋切型でやや子供っぽさを感じます。背景や機械に向けている絵へのこだわり・画力が、キャラクターへのこだわりを描くために使えるようになると、人物たちはもっと読者に魅力的に映るんだろうと思います。