6月27日の「サワコの朝」のゲストは、京都大学iPS細胞研究所所長・山中伸弥教授。今年３月に“山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信”サイトを開設。６月には、所長を務める京都大学iPS細胞研究所が、大阪府と第二波に備えた連携協定を締結。大学の検査機械を大阪府に貸与し抗体検査の共同研究を行うなど、人々と社会を“新型コロナ”から守るべく活動に努めています。「必ず出口はある」と語る山中教授から見た新型コロナとは！？

専門外の新型コロナウイルス...情報を発信しようと思った理由とは！？

新型コロナウイルスの正しい情報を伝えるべく、様々なメディアで積極的にメッセージを発信している山中教授。いったいなぜ、専門外の新型コロナウイルスについて自ら発信しようと思ったのか。その理由について「僕が持っていた危機感というのは２つありまして」と切り出すと、「このウイルスは、普通のインフルエンザとは随分違いますよと。インフルエンザで、毎年何千人も亡くなっている、年によっては１万人位。それに比べたらこのウイルスはたいしたことないでしょという声が、３月、４月はいわゆる専門家といわれている方でさえ仰っていたことを、僕も聞いたことがあります。でも、これは絶対違うと。本当にあっという間に重症化して、それまで元気だった方が急激に悪くなって、しかも発症から亡くなるまでが凄く早いんですね、重症化した場合は。そんなに早く亡くなる病気って、あまり他にないと思います。その怖さをなんとか伝えたいと思った」と、一つ目の理由を説明。

そしてもう一つ「短期では終わらない。１年かかっても全然不思議じゃない。今はもっとかかるかもしれないと思われていますが、これは長期の対策が必要だ」と訴え、「この２つをやっぱりどうしても伝えたくて」と、専門外に踏み込んだ２つの大きな理由を明かしました。
続けて「ちょうど２月の末に、一斉休校であったりイベント自粛の要請を安倍首相がされて。それは、凄く速くて素晴らしかったと思うんですが、その時に、"この１〜２週が山場です"という風に国民に呼びかけられて。それを皆誤解して、多くの人は"あっそうか！１〜２週だけ我慢したらいいんだと。そういう誤解が凄くあったと思うんです。それで、皆に呼びかけなければいけないと」と、専門外にも関わらず新型コロナの情報を発信するに至った経緯を語りました。

ワクチン？治療薬？これから先の新型コロナと私たち

日本を、そして、国民を守るべく使命感から立ち上がろうとした山中教授。しかし、家族やiPS細胞研究所の広報からは反対されたそうで「非難というか批判も受けますし、本来のiPS細胞研究...僕たちはかなり一般の方からの寄付で研究を行ってる面もありますから。寄付活動にも影響があるんじゃないかと」と、本職と違うことで前面に出ることを心配されたと説明。だが「そんなん言ってる場合じゃない。本当にこのままだったらどうなるか"怖い"ということで、これは"完全に山中伸弥個人の意見です"と始めました」と、反対を押し切ってでも動き出したかったことを明かしました。

「長くても５年したらうまく（ウイルスと）付き合う状態になっている」と言う山中さんは、「（その期間を）短くしようと世界中の研究者が必死で研究しています」と現状を説明。「ワクチンも１つの可能性ですし、もう１つは治療薬。これも５年位したらこのウイルス専用の薬もできてくると思います。感染してもインフルエンザと同じ位の怖さだとなったら、ある意味良い訳ですよ」と話しました。
さらに、他国に比べ感染が広がっていない日本では「感染してしまった人をいち早く見つけ一定期間隔離。ウイルスがゼロになるのに多分１か月とかかかるかもしれないけれど、２週間で人にうつす確率は随分下がる」と言うと、「このウイルスが厄介なのは、発症する前の日から２日前位が一番人にうつすと言われていますから、発症前が勝負」と話し、厚生労働省が公式提供する"新型コロナウイルス接触確認アプリ"を推奨。最後は、日本が欧米と比べて感染者が少ない理由を"ファクターX"と呼ぶ山中教授が、その正体をサワコに語りました。

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「サワコの朝」はインタビューの達人・阿川佐和子が土曜の朝に素敵なゲストを迎えて送るトーク番組です。
次回7月4日のゲストは、元陸上競技選手の為末大さん。「東京五輪の代表権は一度取り消すべき」"走る哲学者"と言われた陸上界のレジェンドが語る東京五輪への提言...その真意とは？ 土曜あさ7時30分からお送りします！

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