安旨ウイスキー、今回はブレンデッドスコッチのグランツ トリプルウッドを飲んでみます。

三種の樽原酒をブレンドしたウイスキー

grants_2020_グランツは、ウィリアム・グラント・アンド・サンズ社がリリースするブレンデッドウイスキーのブランドです。
同社はグレンフィディックをはじめとするいくつかの蒸溜所を所有しています。

グランツのエントリーモデルのウイスキーは「ファミリーリザーブ」という名前が冠されていましたが、2019年になって「トリプルウッド」と名を変えました。

そのトリプルウッドとは、アメリカンオーク樽、ヴァージンオーク(フレンチオーク)樽、リフィルバーボン樽の3種類だそうです。

アメリカンオークはバニラの香りを与え、フレンチオークはスパイシーな香りを、リフィルバーボン樽はブラウンシュガーの甘さを与えるとしています。

ボトルの形状が上から見ると三角形になっているのも、グランツの特徴となっています。これは同社のシングルモルトであるグレンフィディックのボトルにも採用されているデザインです。

では実際に飲んでみます。

ストレート

ラムレーズンと共に黒こしょうやシナモンなどのスパイスを思わせる芳香が広がります。
味わいは、アルコールからの辛みはそこそこあり、その後は酸味が全体を支配します。
少々きついですが、芳しさがあり、香りを楽しみながら飲める印象です。

ロック

ラムレーズンとシナモンの香りが先立ち、奥から黒こしょうのスパイシーな香りが広がります。
加水が進むと、オレンジピールやライムの爽やかな香りが揮発していきます。

味わいは、ほんのりとした甘みと軽い酸味のあと、柑橘系を思わせる苦みが続きます。

水割り

トゥワイスアップにすると、オレンジピールや紅茶の香りが広がっていき、シナモン、バニラの香りが続きます。ラムレーズンは余り感じられなくなります。

味わいは、多少の辛みと苦みがあるものの、奥の方から甘さも感じられるようになります。

1:4で割ると、軽くスモーキーな香りの後にレーズン、リンゴの香りが続きます。その奥からシナモン、バニラと続きます。

味わいは、軽く苦みがあるものの、後から酸味がやってきます。ただ、全体的にはかなり薄くなります。

ハイボール

1:3で割ると、紅茶、レーズン、リンゴの香りが広がり、奥からシナモン、黒こしょうの香りが追いかけてきます。また、樽からのウッディな香りも感じられます。

味わいは、酸味と苦みが半々で、後になると甘みがかすかに得られます。
どちらかというとさっぱりした印象です。

まとめ

スペイサイドモルトを中心にしたブレンドとは言え、フレンチオークからのスパイシーな香りがアクセントになっています。1000円スコッチの部類でも他の定番ボトルとは一線を画しているように思えます。

一方で甘みは少なく、飲みやすいお酒を好む人には癖が強いと感じるかも知れません。
  • メーカー:ウィリアム・グラント・アンド・サンズ(輸入元:三陽物産)
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:ラムレーズン、黒こしょう、シナモンが主体。加水でオレンジピール、紅茶、バニラ。
  • 味わい:酸味がメイン。加水で苦みが増してくる。
  • ストレート C: アルコールの刺激はそれなり。スパイシーな香りが強い。
  • ロック B: 加水されるごとに爽やかさが出てきて面白い。
  • 水割り B: 1:4ではスモーキーさが出てきて、リンゴの香りも見えてくる。
  • ハイボール C: スパイシーな香りと苦みによって、さっぱりした印象に。
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