佐久間良子(女優)

佐久間良子(女優)
高校在学時のスカウトをきっかけに東映に入社し、瞬く間に売れっ子女優となる。その後、清純派の殻を破るため、任侠映画「人生劇場 飛車角」や文芸映画「五番町夕霧楼」に出演。これにより、演技派女優としての地位を確立する。1970年、ドラマで共演した俳優・平幹二朗と結婚し、4年後に双子を出産。1980年、初めて女性が主役の大河ドラマ「おんな太閤記」で主人公を熱演し、高視聴率を叩き出す。1984年に平と離婚するが、2001年には元夫、息子の平岳大と舞台共演を果たし、周囲を驚かせる。映画とテレビの黄金期を駆け抜けた女優・佐久間の生き様に迫る。
  • 前編(5月17日放送)
    「時代をリードし続けた女優」

    1936年、佐久間は大地主の長女として誕生。箱入り娘として育てられ、学生時代には通学路に男子学生のファンが現れるほど評判の美人に。高校3年生の時、学校の先輩に誘われて行った東映の撮影所でスカウトされる。両親の反対を押しきり東映ニューフェイス第4期として女優の勉強を開始。東映入社翌年から次々と映画出演を果たし、年間20本以上の作品に出演するまでになるが、清純派としてのイメージから抜けられぬことに苦悩する。そんななか“時代劇”に代わる東映の新たな路線として義理人情をテーマに“任侠映画”を開拓した東映のプロデューサー・岡田茂により、佐久間は「人生劇場 飛車角」でヤクザの情婦を演じ、清純派の殻を見事破る。さらに、岡田が手掛けた文芸大作映画「五番町夕霧楼」に主演。初の濡れ場に挑み、高い評価を得た佐久間は実力派女優としての地位を築く。

  • 後編(5月24日放送)
    「時代をリードし続けた女優」

    娯楽の移ろいにより活躍の場を映画からテレビドラマに移していた佐久間は、1970年、ドラマで共演し人気を博していた平幹二朗と結婚。4年後に男女の双子をもうける。出産から半年後には仕事復帰し、育児と仕事に奔走する日々を送る。1980年、NHKから初めて女性が単独主演となる大河ドラマ「おんな太閤記」のオファーが届く。佐久間は、秀吉の妻・ねねをたおやかに演じ、幅広い層の支持を得て高視聴率を獲得。しかし、仕事での成功とは裏腹に家庭では夫婦の会話は減り、すれ違いの生活となっていた。そんななか、息子の岳大が神経症にかかってしまう。夫婦の不仲が影響していると感じた佐久間は子供を連れて家を出て、その後、平と離婚。ところが17年後、三島由紀夫原作の舞台「鹿鳴館」で元夫の平と夫婦役、そして息子の岳大と親子役で共演し、大きな話題を呼ぶ。