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2020/07/02 (THU) 14:07

6月FOMC議事録、「数回の感染爆発の可能性が高い」と警戒強める

2020/07/02 11:48

<チェックポイント>
●「ゼロ金利とQEに関するフォワードガイダンスを一段と明確にすべき」と指摘

●イールドカーブ・コントロールの導入、多数の委員が否定的

●「4月がリセッションの底だったと判断するのは時期尚早」と指摘

 FRB(米連邦準備制度理事会)は1日に公表した6月9-10日開催分FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で、「多くのFOMC委員が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的流行)の第2波が年内に起こり、今後、感染爆発が数回にわたる可能性が高い」と判断し、「それにより、どれだけ経済が打撃を受け、いつまで景気回復に時間がかかるのかということを考慮すれば、より悲観的な予測が標準予測となりうる可能性は高い」と景気の先行きに強い懸念を示していたことが分かった。

 また、「委員が新型コロナの感染爆発が今後、数回にわたった場合、家計や企業、地方自治体に対する、これまでの連邦政府による財政的な景気支援策では十分とはいえなくなる可能性があると指摘した」とし、今回FOMCで決めた、ゼロ金利の22年末までの継続と月1兆2000億ドルの資産買い入れによるQE(量的金融緩和)政策に加え、今後は政府の追加財政支援措置が必要になるとの考えを示している。

 さらに、今回の議事録では、前回(4月28-29日開催分)FOMC議事録で示されたのと同様に、「市場との対話を通じ、(金利上昇圧力を軽減する)フォワードガイダンス(時間軸政策)を一段と明確にする必要がある」と議論していたことが分かった。

 市場では、FRBが明確なフォワードガイダンスを示すのは、早くても次回9月15-16日会合まで明確な経済の動向を示す指標が出てくるのを待つ必要があると見ている。

 フォワードガイダンスをインフレ率や失業率などの経済指標とリンクする考え方について、FRBはかつて、「失業率が6.5%に低下、または、インフレ率が2.5%と、物価目標(2%上昇)をややオーバーシュートするまで利上げサイクルに入らない」としている。この点について、今回の議事録では、「多くの委員がインフレ率とリンクすることを支持し、他の委員は失業率、また、少数の委員は金融緩和からの脱却を開始する時期を明示すべき」と、フォワードガイダンスは失業率よりもインフレ率とリンクすることが望ましいとみていることがわかった。

 QEについては、「多くの委員は資産買い取りによるQEが長期金利の上昇を抑制するためには有効だ」との見方を示した。その上で、「さらなる長期金利を抑制するツールを検討する必要がある」と指摘している。一方、「少数の委員はFRBのバランスシートの一段と拡大し、金融市場の安定に逆効果となる可能性がある」と懸念を示している。なお、イールドカーブ・コントロールの導入を巡っては、多くの委員がその必要性は現時点ではないとしていることがわかった。

 景気の現状認識と今後の見通しについては、「(新型コロナ感染防止のための)経済活動の自粛を受けた雇用と所得の低下により、20年以降、個人消費が急速に回復することは難しい。(1年半から2年間の)中期にわたり、個人消費の拡大ペースが抑制される」との見方を示した上で、政府の財政支援が大きな意味を持つと指摘している。

 また、5月の米雇用統計で新規雇用者数が約251万人増と、強い結果を示したことについても、議事録は、「2月以降、トータルで約2000万人が失業しており、4月がリセッション(景気後退)の底だったと判断するのは尚早だ」とし、雇用が十分に回復するにはまだ時間がかかると見ている。

<関連銘柄>
 NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、
 SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、
 NYダウベア<2041>

提供:モーニングスター社

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