完全正則でないが正則な完全ハウスドルフ空間

X=S∪{a,b}をTychonoff Corkscrewとし、aを最上点、bを最下点とします。Xから一点bを除いた空間をYとします。これは完全正則でないが正則な完全ハウスドルフ空間となります。

正規でない完全正則空間

これは正規空間ではありません。
部分空間として上半平面Aには標準位相が、x軸Bには離散位相が入ります。
A,Bから実数への連続写像の個数を考えます。連続関数A→Rは、Aにおける有理点での値が決まれば連続性から写像が決まるので、その個数は|R|^|Q|=2^|N|個。一方、任意の関数B→Rは連続なので、その個数は|R|^|R|=2^(2^|N|)個となり、これらの個数は等しくないことがわかります。
もしムーア平面が正規なら、ティーツェの拡張定理より連続関数A→RとB→RはX全体に拡張されるので、その個数は等しいはずです。よって矛盾し、Xが正規でないことがわかります。

正則でない正規空間(T1でない)

シェルピンスキー空間 X = {0,1} (位相は{φ,{1},X}) はT1でない正規空間となります。
また、シェルピンスキー空間と離散位相を入れた空間の直和などはT1でない正則でない(完全正則でない)正規空間となります。

全部分正規でない正規空間

Yの部分集合A={(Ω,n)|n<ω},B={(Ω,α)|α<Ω}はともにYの閉集合です。UをAの開近傍とします。
各(Ω,n)∈Aに対し、あるα_n<Ωが存在し、(α_n,n)∈Uが成り立ちます。{(α,n)|α_n≦α<Ω}⊂Uです。
{α_n|n<ω}の上界βを1つ取ると(β,Ω]×[0,ω)⊂Uとなります。
また、{(α_n,n)|n<ω}は可算なのでβ+1<Ωであり、従ってBの点(β+1,ω)の任意の近傍はUと交わります。よってAとBの任意の近傍が交わることがわかり、ゆえにYは正規ではありません。

完全正規でない全部分正規空間

最小の非可算順序数をΩとして、0からΩまでの全ての順序数の集合Ω+1に順序位相を入れた空間は、全部分正規であって完全正規でない例となります。完全正規でない理由は、Ω+1上の連続関数はあるα∈Ω+1以降で定数となるので、一点集合{Ω}はゼロ集合とならないからです。

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