中村尚徳、池田拓哉
新型コロナウイルスの感染が、宇都宮市の「夜の街」で広がった。県内で初めてクラスター(感染者集団)が確認されたキャバクラを利用した、ホストクラブの男性従業員の同僚2人が感染した。宇都宮市は1日、ホストクラブから感染が広がる可能性もあるとして、すべての従業員や客のPCR検査を実施する方針を示した。同日、県内では新たに3人の陽性が確認され、県内で判明した感染者は82人となった。
県や市によると、6月30日に感染が判明した2人はJR宇都宮駅東口のホストクラブ「Club(クラブ) Gentle(ジェントル)」(宿郷1丁目)に勤務。27日ごろから症状が出ていた。同僚男性はクラスターが発生したキャバクラ「CLUB EIGHT(エイト)」を22日に利用。この日に埼玉県から来店した客の感染が25日に判明した。2人は同僚との接触を理由に検査を希望した。同僚男性の検査結果は陰性だったが、再検査を検討している。
市は、2人が発症する約2日前の25日以降の来店客に対してPCR検査を実施する方針。症状の有無に関係なく検査を受け付けるという。「CLUB EIGHT」と同店の感染者が勤務していた「クラブ efu(エフ)」の利用客への検査も引き続き進める。市はすべての客を把握しているわけではなく、利用者に対して名乗り出るように呼びかけている。
県によると、キャバクラ2店の従業員に対するPCR検査は県外の1人を除いて終了した。感染が判明した8人以外は陰性という。
県は30日、キャバクラなどが加盟する「県社交飲食業生活衛生同業組合」(小山市)に対し、業界が定めた感染防止ガイドラインの順守を文書で要請した。県は、接客を伴ったり、酒類を提供したりする県内約3千の飲食店に対して、同様の要請文を2日から発送する。
クラスターが発生し、感染者が広がっているが、県は複数の指標などを参考に打ち出す3段階の警戒度について、最低ランクの「感染観察」を変更しない方針だ。しかし、指標のひとつである「直近1週間の新規感染者数」は30日に13人となり、緊急事態宣言の解除後では初めて、最悪レベルの「特定警戒」(10人超)に達した。それでも、県は、感染経路がおおむね把握でき、病床がひっぱくしていないと判断した。近隣都県の感染状況も踏まえて警戒度の見直しは検討しないという。
1日に感染が判明した3人はキャバクラやホストクラブの客や従業員、別の従業員の知人だった。(中村尚徳、池田拓哉)
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7/1 20:30 時点
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