103.文夫の変貌(2)
「どう? 素直に言うことを聞く気になったかしら」
「は、はいっ……い、言います……」
文夫はガクガクと頷くと、切羽詰ったような声音で夏次郎に声をかける。
「な、夏次郎さん……ふ、文夫に、夏次郎さんのおチンチンをおしゃぶりさせて下さい」
「まあ、感激だわ。文夫さんにフェラチオしてもらえるなんて」
夏次郎が大げさな声を上げて立ち上がると、醜悪な肉塊を文夫の唇に近づける。文夫は反射的におびえたように顔を逸らす。
「駄目よ、嫌がっちゃ。お夏に失礼でしょう」
春太郎はそんな風に文夫を叱咤すると再び大きく腰を突き上げる。直腸の奥まで春太郎の長大なもので貫かれた文夫は再び「ああっ!」と悲鳴を上げる。
「ねえ、文夫さん。早く」
夏次郎が催促するように文夫の滑らかな頬にその肉棒の先端を擦り付ける。文夫は進退極まったように唇を小さく開く。
「もう、そんな情けない顔は気に入らないわね。もっとうれしそうにおしゃぶりしないとお客様に失礼でしょう」
夏次郎はそう言うと、ベッド脇の引き出しから口紅を取り出す。
「男娼らしく化粧してあげるから、お口をあけるのよ」
恥ずかしげに開かれた文夫の唇に、夏次郎は丹念に口紅を引いていく。可愛いピンクの口紅をひかれた文夫は姉の小夜子に良く似た顔立ちもあって、見るものにまるで少女のような錯覚が生じるほどだ。
「まあ、すごく色っぽいわ。文夫さんったら」
夏次郎はしばらくの間うっとりした表情で文夫の顔を眺めていたが、やがて「さ、始めるのよ」と文夫の唇に肉棒を近づける。
文夫は改めて小さく唇を開くと夏次郎のそれに口吻し、柔らかく愛撫を始める。
(文夫……)
愛する息子がシスターボーイの醜悪な肉塊に接吻したのを目にした美紀夫人は、衝撃のあまりふらりと身体のバランスを崩す。すかさず夫人の裸身を抱きとめた美紀のうなじや胸元に接吻の雨を降らす。
「ああ……つ、津村さん……おやめになって」
「息子さんが男たちから愛されているところを見て興奮されたのではないですか? 奥様」
「ば、馬鹿なことをおっしゃらないで」
「そうですかね。ここのところは随分湿っているようですが」
津村は美紀の股間に手を回し、鬱蒼とした繊毛を掻き分ける。美紀は慌てて津村の手を押さえようとするが、その抵抗は自分でも不思議なほど弱々しく、あっさりと津村に秘奥を探り当てられてしまう。
「やっぱり湿っているじゃないですか」
「嘘、嘘です……ああ、どうしたらいいの」
文夫が二人のシスターボーイによって倒錯的な調教を受けるのを目撃しながら、憎い津村に秘部をまさぐられる屈辱──意識が遠くなるほどの懊悩の中で美紀はなよなよと裸身を悶えさせるばかりであった。
「犬みたいに舌を出してベロベロと嘗め回すのよ」
夏次郎がそう命令すると、文夫はすっかり自分の意思を失ったかのように大きく口を開け、舌を出して夏次郎の陰茎を嘗め始める。
「雁首から鈴口の辺りは特に丁寧に嘗めるのよ。そうそう、なかなか上手じゃない」
美少年によって口唇の奉仕を受けている夏次郎は徐々に快感が高まってきたのか、文夫の後頭部を抑え、腰をゆっくりと前後に動かし始める。
「うっ、ううっ……」
文夫は苦しげな声を上げながら、夏次郎に口から喉の奥にいたるまで犯されている。同時に春太郎が夏次郎と調子を合わせるように腰を上下させる。文夫は早くこの苦しみから逃れようと、無意識のうちに春太郎の動きに合わせて肛門を収縮させ、懸命に舌を夏次郎の肉塊の上に這わせていく。
「そうそう、その調子で喉の奥まで使うのよ。ああ──文夫さんにこんなことをさせているなんて、感激だわ」
「お尻の穴もますます締まるようになってきたわ。文夫さんも男を愛する方法を覚えてきたようね。ああっ、そ、そんなに締められたらたまらないわっ」
文夫が突然開き直ったように逆襲に転じたことを感じた夏次郎と春太郎は、ここで負けてなるものかとばかりに手練手管を発揮し、美少年を攻め立てていく。
(文夫さん……ああ……こ、こんな恐ろしいことが)
津村の腕の中で淫靡な愛撫を受けている美紀夫人は、愛する息子が性倒錯者たちの餌食になっているのをただ見守るしか出来ない懊悩に必死で耐えている。
しかしその一方で三人の男たちが発する性の熱気にあてられたように、なぜか美紀の身体も熱くなり、憎い津村の巧みな愛撫に身体が溶かされていくような感覚に陥っているのだ。
文夫は「うっ、ううっ、うぐっ」と苦しげに呻きながらも、夏次郎を追い込むべく必死で顔を前後させる。同時にシスターボーイの剛直をくわえ込んだ腰は妖しくうねり、女のそれとは違った吸引力を発揮して春太郎を絶頂へと追い上げていくのだ。
一方の春太郎は鉄のように硬化したもので文夫を突き上げながら、片手を前に回して文夫の屹立したペニスを掴み、荒々しく擦りたてる。
「もう駄目だわ。お春、あなたはっ」
「わ、私も駄目よっ」
「待って、一緒に、一緒に行きましょうっ」
春太郎と夏次郎はそんな声をかけながら必死で文夫を追い上げる。春太郎に揉み立てられた文夫の肉棒が波打つように脈動する。
「ううっ」
ついに快楽の頂点に達した文夫が膨張した肉塊の先端から大量の精を噴き上げる。同時に二人のシスターボーイも緊張を解き、熱い体液を文夫の喉と直腸の奥に浴びせかける。
「うっ、ううっ……」
文夫は被虐の性感の絶頂の中で肛肉を収縮させながら春太郎の吐き出すものを吸い上げ、同時に夏次郎から流れ出す樹液を音を立てて嚥下していく。最後の一滴まで吸い上げるような文夫のフェラチオが終わると夏次郎は不覚にも膝を突く。
「文夫さんっ、舌を吸い合いましょう」
春太郎に接吻を求められた文夫は、うっとりと目を閉じて顔を捻じ曲げて、春太郎の唇にぴったりと唇を合わせる。
「ずるいわ。春太郎とだけなんて」
夏次郎が催促するように文夫の肩を抱くと、文夫は春太郎と唾液を引くような接吻を終え、夏次郎の唇に唇を合わせる。
嚥下し切れなかった精を口の端から一筋垂らしながら二人のシスターボーイと交互に、火のように熱い男色の接吻を交し合っている文夫の姿を目撃した美紀夫人は、津村の腕の中で失神するのだった。
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