美紀夫人は素っ裸のまま津村に抱えられるようにして、津村にあてがわれている二階の洋間の前に連れて来られる。クリトリス吊りに浣腸と、続けざまの酸鼻な責めに夫人はすでに気息奄々となっている。
「奥様にとっては辛いものを目にすることになるかもしれませんが、あまりびっくりしないでくださいよ」
 津村が笑いながら扉を開ける。朝だというのにカーテンが締め切られた暗い部屋の奥で、何やら人の呻き声がするのに気づいた美紀夫人は、はっと顔を上げる。
「声を上げないでください。良いですね」
 津村は美紀の身体をを戸棚の脇に隠すようにしながらそう囁くと室内灯をつける。オレンジ色の淫靡な明かりに照らされたベッドの上で三人の裸の男が絡み合っているのがわかる。その一人が息子の文夫であることに気づいた美紀夫人はあまりの衝撃に息を呑む。
「あっ、あっ、ああっ……」
 素っ裸で後ろ手に縛り上げられた文夫はベッドに横たわった春太郎の上で大きく膝を割り、腰部をうねらせながら女っぽいむせび泣きの声を上げているのだ。
「どうなの、文夫さん。だいぶ男同士のセックスの良さが分かってきたんじゃないの? ええ、何とか言いなさいよ」
 春太郎がそんな風にからかいながら文夫の形の良い尻を叩く。文夫の前ではやはり素っ裸で胡坐をかいた夏次郎が、隆々と勃起した文夫のペニスを片手で扱いているのだ。
「ああ──そ、そんなにされたら、また──」
「射精しそうだというの?」
 夏次郎がクスクス笑いながら文夫の屹立した陰茎の先端を指で弾く、文夫はさも恥ずかしげにこくりと頷くのだった。
「夕べからもう二度も射精しているっていうのに、まったくこのお坊ちゃんは元気なことね。それだけお春のテクニックが素晴らしいってことかしら」
「あら、お夏だって大したものだわ。文夫さんがあれだけ嫌がっていた筒嘗めを一晩で仕込んだんだから」
 春太郎が文夫を遮二無二突き上げながら楽しげに笑う。
「それにしても文夫さんのお尻は最高だわ。こんな名器はなかなかいないわよ」
「そういえば、お姉さんの小夜子さんも巾着だそうじゃない。姉弟そろってポルノ俳優の素質十分って訳ね」
 そんなシスターボーイたちの悪魔のような会話を、美紀は卒倒しそうな思いで聞いている。
 津村義雄によって「処女を奪われた」文夫に対して倒錯したホモセクシュアルの悦びを教え込もうと、昨晩から春太郎と夏次郎が二人がかりで徹底した調教を施していたのだ。
 春太郎の一見なよなよした風貌に似合わない巨大な剛直でバックの姿勢で犯された文夫は、続いて立位で開股の姿勢で固定されると、夏次郎の長大なものによって背後から深々と突き通された。
 長時間にわたって二人のシスターボーイと倒錯的な性の契りを交わした文夫は、いわゆる「トコロテン」による射精も経験するに至った。しばらく休憩を取らされた後で再び春太郎に挑まれた文夫は知らず知らずのうちに再びその可憐な菊座を信じられないほど大きく膨らませ、今や春太郎の巨根をしっかりとくわえ込んでいる。当初感じた激烈な痛みは既に薄れ、春太郎に貫かれるその部分からは想像も出来なかった妖しい快感が生じ、全身が麻痺したような状態になっている。
 夏次郎はそんな文夫に寄り添いながら、様々な台詞を文夫に教え込もうと躍起になっている。田代屋敷を訪れる客の中にはいわゆるホモセクシュアルの味を好むものも多く、文夫にそれらの客をもてなすための手管を身につけさせようとしているのだ。
「は、春太郎さんっ。文夫、気持ちいいですっ」
 文夫は熱っぽく喘ぎながら、夏次郎に教えられた台詞を口にし始める。
「そうなの。どこがそんなに気持ちいいの? 言ってご覧なさい」
「そんな……い、言えません──アアっ」
 嫌々と首を振る文夫の陰茎を夏次郎が激しく擦り上げると、文夫は耐えかねたように口を開く。
「ふ、文夫の、お、お尻の穴っ、アアっ、お尻の穴が気持ちいいです」
(文夫……)
 感極まったようにそんな言葉を発する文夫を見ながら、美紀夫人は驚きと恐怖に口を聞くことも出来ず、ブルブルと裸身を震わせる。
「どうしてお尻の穴がそんなに気持ちいいの? お客さんの前で演じている気分になって言ってみなさい」
「は、春太郎さんの──春太郎さんのおチンチンをくわえ込んでいるからです」
 文夫は少女のように可憐な頬を赤く染めながら、上ずった声を上げる。
「こうやって擦られているおチンチンはどう」
「ああっ、お、おチンチンも気持ちいいっ」
「もう三回も射精したのに、こんなにビンビンにさせるなんて、文夫さんのは本当にスケベなチンチンだね」
「ああっ、そんな風にいわないでっ。恥ずかしい」
 文夫はヒラヒラと前髪を震わせながら首を振る。男二人に陵辱されることで、まるで女に変貌してしまったかのような文夫の振る舞いに、美紀夫人は唖然とする。
 美紀夫人は津村から、息子の文夫が男色の調教を受けているときかされてもそれが本当のこととはとても信じることが出来なかった。男が男に犯されるなどということが現実に起こることだとはとても理解できなかったのである。
 しかし、夫人が今、目の前にしているのはまさしく男と男の異常性愛の世界だった。そしてその世界の中に没頭している文夫は、津村と美紀がそっと部屋の中に入ってきたことすら気づいていないようだった。
 津村はベッドの上の三人から身を隠し、美紀を背後から抱くようにしながらその豊かな乳房を揉み上げる。
「つ、津村さん──お願いです。あんな恐ろしいこと、すぐにやめさせてください。あ、あれでは文夫の気が狂ってしまいます」
「何が恐ろしいものですか。文夫君はあれで十分楽しんでいるんですよ。その証拠にあの高々と勃起したチンポを見て御覧なさい」
 確かに文夫が自らをいたぶり抜いている二人の男たちを必ずしも拒絶していないことに美紀夫人は大きな驚きを覚える。
 その証拠に津村の言うとおり、文夫の陰茎は裡から込み上げる快楽を訴えるように高々と屹立し、先端は先走りの液でぬらぬらと淫靡なまでに濡れているのだ。
「どうですか、奥様。可愛い息子がシスターボーイたちに愛されているところをご覧になった感想は。立派に成長された息子さんのあそこを見て、感激したんじゃないですか」
「ば、馬鹿なことを言わないでください」
「おっと、大きな声を出しちゃ駄目ですよ。文夫君が今一番辛いのは、自分がお釜を掘られているところを大事なお母様に見られることじゃないですか」
「ああ……文夫さん」
 津村の残酷な言葉に美紀は絶望の呻き声を上げる。
「今度はこんな風にいうのよ」
 夏次郎が文夫の耳に口を寄せ、新たな台詞を吹き込むと文夫は嫌々と首を振る。
「ああ――そ、それだけは許して──許して下さい」
「駄目よ。私たちの言うことはなんでもきくと誓ったでしょう。昨晩は素直にしゃぶったじゃない」
 夏次郎が文夫の屹立を柔らかく揉み上げると、それに調子を合わせるかのように春太郎が文夫の形の良い双臀を引き込むようにして力強く突き上げる。
「あっ、ああっ! そ、そんなにされたら、お尻が壊れちゃいますっ」
 身体に楔を打ち込まれるような鋭い快美感に、文夫は思わず歯を食いしばる。