緊急事態宣言が解除されたとはいえ、自粛生活を強いられた約3か月。その間に「体力が落ちた」「疲れやすくなった」「物忘れがひどくなった」「うつ病気味になった」といった不調を自覚し始めた人々は実に多い。“コロナぼけ”、アフターコロナ症候群への対処法を3つ紹介する。
①生活改善…外出自粛による体調不良を払拭する4つのリカバリ法
心療内科医・内田栄一氏は「コロナぼけの中でも抑うつ状態、記憶障害といった症状は、いわば刑務所の拘禁反応と同じ」と話す。そこで内田氏に、その症状の4つのリカバリ法を教えてもらった。
1つ目は、朝日を浴びること。
「日光が苦手ならカーテンを開けて窓を開けるだけでもいいです。これで健全な活動に必要なスイッチをオンの状態にできます」
(1)朝日を浴びる:日焼けが気になる場合は直射日光を浴びずとも、部屋のカーテンと窓を開けるだけでも効果がある
続いて、朝のうちに糖分を摂取すること。
「チョコ1粒でもいいですが、おすすめは蜂蜜、メープルシロップなど体に負担の少ない糖分をひと口ペロッと舐めること。これで脳の機能が正常方向へとシフトしながら動きだす。うつ状態、ストレスフルな時だけしばらく続け、改善されたら中止しても構いません」
(2)朝のうちに糖分を摂取:起き抜けの糖分は、脳機能を正常に戻す作用がある。体に負担をかけない種類を選ぶのがおすすめ
3つ目は、近所の公園やコンビニへこまめに通うこと。ステイホーム中に激しい筋トレを自らに課して行っている人は少なくないが、実はこれがうつ状態を加速させてしまう。
「ランニングなども同様で、どちらもアドレナリンが多く分泌されてしまうため、過度の運動はかえってイライラが増してしまいます。最適なのは、近所のコンビニまでフラッと行って、ひとつ買って帰ってくる。そしてまた別の時間に行き欲しいものをひとつ選んで買ってくる。要はこまめに動くことです」
「欲しいものを見ながら、チンタラ歩く」ことで精神が満たされて安定するのだという。
また、足の裏の土踏まずにはリラクセーションとやる気を同時に引き起こすスイッチ代わりの神経があり、自律神経の調整に非常に役立つ。
(3)公園やコンビニに通う:のんびり散歩と買い物で精神安定効果と、土踏まずへの刺激により自律神経のバランスも整う。揉んでもOK
4つ目は、ペットやぬいぐるみをかわいがること。
「ペットはもちろん、ぬいぐるみや人型ロボットでも、頭を撫でたり抱きしめることで、オキシトシンという脳内物質が分泌され、気持ちが優しく和らぐことがわかっています。現在、オキシトシン薬も開発中ですが、服用せずとも実は簡単に分泌することができるんです」
(4)ペットやぬいぐるみをかわいがる:ペット不在でもお気に入りのぬいぐるみがあればすぐにできるリカバリ法。とにかくひたすらかわいがろう