東京、10万人当たり2.5人感染 先月29日以降、国の指標超える

2020年7月2日 06時00分

東京・新宿駅へ向かうマスク姿の人たち=1日午後

  東京都内で新型コロナウイルスに感染したと報告された人の数が6月29日以降、対策の検討が必要だとする厚生労働省の指標を上回っていることが分かった。野党は1日、国会で「東京の状況は近隣県にも影響を及ぼす。何らかのアクションを起こすべきでは」と国に対応を促した。 (井上靖史)
 厚労省の指標は、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数が2.5人。これ以上になった場合、自粛などの協力の呼び掛けが早いほど、医療だけでなく、自粛期間の短期化などで経済的にも影響が小さいとしている。厚労省は政府専門家会議の意見を踏まえ、感染再拡大に備えるための参考として、6月19日に都道府県に通知した。
 東京都内では6月29日以降、2.6人超となっており、指標を上回っている。1日の衆院厚労委員会で、岡本充功委員の指摘に、厚労省の宮崎雅則健康局長が認めた。同委には専門家会議の尾身茂副座長も出席し、「懸念する状況であることは間違いない」と述べた。
 専門家会議の試算では、東京都内で2.5人超となった日の翌日に対策を呼び掛ければ、流行のピーク時に入院が必要な患者数は1500人だが、3日後だと1900人、7日後だと3100人に膨らむ。都は現在、3300床の対応病床を確保しているが、流行具合で超える可能性もある。
 加藤勝信厚労相は厚労委で「(試算は)一定の仮定を基に出しており、直ちに自粛につながるものではないが注視したい」とした。

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