Social Dilenma

山岸俊男(1990)『社会的ジレンマのしくみ』サイエンス社より。
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序文より

1.社会的ジレンマ
 具体例:環境破壊、環境汚染、砂漠化の進行、乱獲、保護貿易、受験戦争、新卒者の青田刈り、違法駐車、車粉公害etc。
  →いわゆる「社会問題」と呼ばれるものの代表格。
 共通点:個々人の利己的な行動が、全員の迷惑を生み出している状況。
 難点:個々人が利己的な行動をやめれば、そういう迷惑も解消される可能性はある。→しかし、「自分一人だけ」が止めて「自分だけ馬鹿を見る」のは嫌だ、という心理がその邪魔をする。

2.社会的ジレンマの研究
 如何にすれば(いかなる条件が整えば)、「個々人が利己的な行動をやめ」るのか--その可能性が高まるのか--。その条件の探究。

3.分野
 心理学、社会学、政治学、経済学、生態学、進化生物学・・・

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  サラ金の返済に困って別のサラ金からお金を借りて、借金が雪だるま式に増える、
  嘘の上塗り、
  健康に悪いのを知りながら、煙草を吸い続ける

 いわば、社会的ジレンマとは、「集団が自分で自分の首を絞める」現象を指す。
 そんなことをすれば悪い結果がもたらされる、と皆が知っているにもかかわらず、否、知っているが故に、皆が皆にとって悪い結果をもたらすような行動を行ってしまう。それが社会的ジレンマである。  
(pp.1-2)


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