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性的マイノリティの当事者らが6月30日、履歴書から性別記入欄をなくすよう求める要望書を経済産業省などに提出した。

履歴書の性別欄があるために、戸籍上の性別と性自認が異なるトランスジェンダーの人たちは半強制的にカミングアウトをさせられており、面接で執拗にセクシュアリティのことを聞かれるなどの事態が起きている。

提出後、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開いた当事者の佐藤悠祐さん(28)は「性別記入欄がなければという思いがある。経産省の人にこういう問題があるということを知ってもらえたことが嬉しかった」と話した。

●「なんで男性のリクルートスーツなの」

佐藤さんは5年前の就職活動中、性別欄に丸をつけずに履歴書を提出していたが、面接の場で面接官から丸をするように言われた。

戸籍上は女性のため「女性」に丸をしたが、男性用のスーツを着ていたため、「なんで男性のリクルートスーツなの」などと聞かれた。その後、面接の大半がセクシュアリティについての質問で終わったという。

佐藤さんは「興味本位だったと思う。本来はその時間で自分の思いを伝えられたのに困った」と当時を振り返る。

オンライン署名サイト「Change.org」でNPO法人POSSEが始めたキャンペーン「履歴書から性別欄をなくそう #なんであるの」にも、30日時点で1万418人分の署名が集まっている。

佐藤さんは「周りにも、就職活動中に履歴書の性別欄をどうするか迷う当事者は多い」と話し、今後日本で一般的に使われている「JIS規格」の履歴書が変更されることを期待した。