愛の葉Girls訴訟でわかった地下アイドル「残酷物語」 パワハラ、長時間労働、ノルマで自腹も
愛媛県を拠点に活動するご当地アイドルグループ「愛の葉(えのは) Girls」のメンバーだった大本萌景さん(16=当時)が今年3月に自宅で首をつって自殺した件で、母の幸栄さんと姉の可穂さんらが10月12日、都内で会見を行った。自殺の原因が当時の所属事務所「Hプロジェクト」によるパワハラや過労で精神的に追い詰められたためとし、同社の代表取締役社長の佐々木貴浩氏らに約9200万円の損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こしたという。
12年12月にデビューした「愛の葉Girls」は、愛媛県を拠点にアイドル活動と農作業を通して日本の美味しい「食」、日本の安全な「食」を推進する農業アイドルグループとして活動。
メンバーたちは、ライブなどのアイドル活動のほか、自分たちの農園をホームグランドに農作業を行ったり、新規就農者募集のチラシ配りをするなど「農家後継者不足」の解消にも努めている。
萌景さんは15年からグループに所属し、研修期間を経て翌16年の夏に正規メンバーに昇格すると、今年に入ってリーダーも務めていたが、「ルックスも良く、グッズ販売の売り上げでは1位になったりと、メンバーの中でも屈指の人気を誇り、佐々木社長とともにメディアの取材に応じるなど、まさにグループの“顔”とも言える存在でした」とはアイドル誌の編集者。
だが、萌景さんが学業とアイドル活動の両立を図る中、イベントなどがある日曜日に授業が入ることが多い通信制から全日制の高校への進学を決意する。
進学費用を事務所が貸し付ける約束だったが、萌景さんの母が「契約満了の2019年8月で辞めたい」と事務所スタッフに相談したところ、事務所は対応を一変。
遺族によると、萌景さんが母親とお金を借りに行くと事務所サイドから「今の考えのままなら、お金は貸せない」と告げられたほか、スタッフから「次また寝ぼけた事言い出したらマジでブン殴る」などLINEで暴言を吐かれたという。