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 高知県室戸市沖の定置網で6月、世界的に絶滅が危ぶまれるウミガメ「オサガメ」が死んだ状態で捕獲され、体内からプラスチック製のレジ袋などが2枚見つかった。海に漂っていた袋を誤飲したとみられる。

 むろと廃校水族館(室戸市)の若月元樹館長によると、地元の漁師が6月21日、同市内の定置網にオサガメ1匹が掛かっているのを見つけた。同水族館が解剖して胃腸の内容物を調べると、大腸などから2枚のプラ製袋が出てきた。袋は42センチ×25センチと30センチ×20センチで、前者はレジ袋だった。

 オサガメは網に絡まって動けなくなって窒息死したとみられ、袋は死因には関係ないとみられるという。

 オサガメは、国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)の絶滅危惧種に指定されている。世界最大と言われ、大きいものだと甲羅の長さが約2メートル、体重は軽自動車と同程度まで育つ。今回の個体は甲羅の長さ約1・2メートルで、子どもとみられる。主食はクラゲで、海に漂う物を口にする傾向にあり、誤飲もあるという。

 7月1日からプラスチック製レジ袋の有料化が義務づけられる。ウミガメ研究者の若月館長は「海にプラごみが流れ出ていることも問題だ」と話す。(清野貴幸)