“フロントメインダンサー&バックボーカル”という史上初となる形態で活動し、ジワジワと人気を集めている7人組がいる。その名も「超特急」。彼らを知るには、あれこれ調べる前にライヴを観るのが一番だ。“フロントメインダンサー&バックボーカル”という馴染みの無い言葉も、そのパフォーマンスを観れば一目瞭然。そんな超特急の強みでもあるライヴDVD&Blu-rayが2月4日に発売されるということでインタビューを敢行、超特急というグループの魅力に迫る。
文/根岸聖子
史上初形態の“フロントメインダンサー&バックボーカル”が持つ強みとは?
──昨年8月のZeppツアーの最終日を映像化したライヴBlu-ray&DVDがリリースされますが、これを観れば超特急というグループの特徴である、“フロントメインダンサー&バックボーカル”がどんなものなのかがよくわかりますね。みなさんは、自分たち超特急の強みというのは、どんなところにあると思っていますか?
ユーキ 僕らは“フロントメインダンサー&バックボーカル”という新しい形態をとっているんですが、強みは8号車(超特急のファンの総称)の方たちと一緒に作り上げていっているところですね。8号車のみなさんもライヴを構成する大事なメンバーなんです。
タクヤ 自分たちに関しては、昔は本当にダメダメだったんですよ。今でこそ、MCのときはメンバーの号車順に並んでいるんですけど、昔の映像を観るとバラバラなんですよ(笑)。自己紹介も下手だし、8号車たちのペンライトもなく、かけ声もなかった。今、当時のことを思い返すと、逆に笑っちゃうくらいで。
コーイチ 昔は、曲が終わったままの並びで自己紹介をしていたので、1号車の次に6号車だったり。
タクヤ というか、そういう号車設定もちゃんと言ってなかったりしたよ。
カイ 当時は当時でカッコいいと思ってやっていたんだけど。
コーイチ というか、自分たちの強みや特徴を全然理解していなかったよねぇ(笑)。
──バックボーカルというのが他にはない立ち位置ですが、歌はもちろん、ライヴ中の煽りとかも絶妙で。ライヴの現場を経験することで、少しずつ確立されていった感じですか?
コーイチ そうですね。僕たちは関西に住んでいたので、東京での平日のイベントに参加することができず、僕たちの等身大のパネルを作って、ステージのスピーカーの上にそれを置いていたらしいんです。しかも、「照明が当たると、意外と本物っぽく見えるよ」って写真付きでスタッフさんからメールが来て。それを言われたときは、“バックボーカルってそういうこと!?”って意味がよくわからなかった。歌が必要なだけなら音源があればいい。でも、ダンサーのみんなに「歌の調子がイマイチだと、やっぱりダンスの調子も悪くなっちゃうよ」って言われたり、ショッピングモールで歌っていたときに、自分たちの歌声で気になって人が集まってくれたりして、僕らは声で超特急を支えているんだと実感したんです。
タカシ まだ僕らのことを知らない人に自分たちの歌で知ってもらって、そこから、イベントやライヴのパフォーマンスで超特急の魅力を知ってもらう。そのために歌でがんばらないとっていうのはありました。
カイ 2人がいないと僕らは踊れないし、グループの支えになっていますよ。
スベッたって問題ない!“ダサカッコいい”が超特急の流儀
──そしてもうひとつ、超特急は“非アイドル”だというキーワード。これはどういうことを指しているのでしょう?
ユーキ ただカッコいいのではなく、あえてダサいことを極めていくことですね。そして、何事にも挑戦していく。基本、何でもやります。僕らはそういうチャレンジャーなんです(笑)。それを追求していくのが超特急というグループなんです。と言いつつ、最初の頃はカッコつけて背伸びして、この“非アイドル”感がまったくなかったんですよ。一緒に踊ってもらうというよりも、見せるということを第一に考えていて。でも、今は一緒に楽しむという気持ちを大事にして、パフォーマンス面でも常に改革を意識しています。
コーイチ ダサい面もあれば、ちょっとカッコいいところもたまにある。超特急は新しいエンターテインメントの形だと思っています。
──チャレンジャーということですが、ムチャぶりだと感じることも多々あった?
リョウガ ほぼ毎回ですね(笑)。大体、事前に教えてもらえないんですよ。MUSIC VIDEOの撮影でも、曲はカッコいいのに現場に行ったら「え!?」っていう形のカツラが用意されていたり。でも、そういうコスプレみたいな衝撃的な映像を受けて気になったという人もいるので、これは超特急として正解なんだなと。その繰り返しですね。
タクヤ いきなりその場で発表されるので、僕らも8号車と同じ目線ですよ。
ユースケ 最初はびっくりするんですけど、それがいつの間にか超特急としての方向性になっていく。本当に毎回、驚かされています。
──確かに、アクションも殺陣もコスプレもといろんなコンセプトで何でもやっていますね。そしてライヴでの8号車との一体感!これはいきなり初心者が行っても楽しめるものなのでしょうか!?(笑)。
カイ 8号車のみなさんは本当にすごいんですけど、初めての人も、ペンライトを振って騒いでいれば楽しいと思います。僕たち7人の口上の合いの手だけでもね。簡単だし、参加している感が味わえると思います。
リョウガ そんな楽しんでいる8号車の様子も、ライヴ映像の見どころだと思うんです。僕も映像を観て、改めてそのすごさを実感したくらいエネルギッシュですよ。
タクヤ 僕らの良さを知ってもらうには、本当にライヴが一番なんですよね。僕らと8号車との掛け合いや雰囲気を楽しんでもらいつつ、僕らのダサさも楽しんで欲しい。ただカッコいいだけでは飽きてしまうと思うので、クスッと笑ってもらえたらうれしいです。
──スベッたなと思うこともある?
コーイチ はい、多々あります。でも笑うまでやるんですよ。リョウガとかは特に。
リョウガ ねばっていると、みんな勝手に笑ってくれるんですよ。8号車のみなさんはやさしいので、空気を読んで盛り上がってくれたりするんです。DVDになったZeppツアーでは、超特急ならではのいろんな種類のエンターテインメント性を身につけたツアーになりました。
──Blu-ray盤にはMVが10曲も入っていますので、こちらの振り返りも。
タクヤ 一番踊ったのはデビュー曲の「TRAIN」ですね。シンプルにただ踊るというMVだったので、無我夢中で踊っていました。20回以上通しで踊ったかな?
ユースケ でも、ここですでに超特急らしさが入っているんだよね。バラを食べるっていう(笑)。超特急としてのファーストインパクトです。あと「POLICEMEN」のときは寒かった!大理石の床がすべるんですよ。ステップを踏みながら若干すべっているんです。よ~く観るとわかりますよ。
タクヤ ホントに完璧じゃないんですよ。毎回、どこかしらミスっているんです!「Bloody Night」も僕のマントが取れてるし、「ikki!!!!!i!!」もユーキが振りをミスっているし、手袋もつけていないし。
タカシ 8号車さんたちも、気づいている人は気づいていると思います(笑)。
ユースケ 「Believe×Believe(ビリビリ)」のダンスの練習で、サビの部分で先生に「ここ、片足立ちで白目むいて」って言われたときは、「えーーー!!」ってなりました。
ユーキ あのポーズを8号車も一緒にやってくれているんですよ。超おもしろいし、最高です!
今年の目標は全国開通!?夢を叶えたDISH//への想いも告白
──超特急と同じ日に結成された同期のDISH//が初の日本武道館公演を行った際は、サプライズで登場して盛り上がりましたが、彼らに対してはライバル意識みたいなものも強い?
ユースケ 同期であり、ライバルでもあります。お互いのスタイルは違っていても、目標はどちらも大きく持っているので、お互い刺激し合っていきたいという気持ちは強いです。
カイ 小さい頃から知っている家族みたいな存在だったからね。素直に祝福したいっていう気持ちは強かったです。
ユーキ 僕らも武道館に立てたしね!本当に大きくなったなぁって感動するとともに、さみしい気持ちもありました。
リョウガ 公園で一緒に鬼ごっこしていた時期もあったのに、今はもうそんなことできないんだろうなって。
──お父さんか(笑)。そんな超特急の今年の目標は!?
カイ 僕らは、はじめての地でライヴをやらせていただくことを“開通”と言っているんですけど、今年は47都道府県全部、開通したいですね。今はまだ半分くらいなので。
コーイチ いやっ、全部開通しちゃったら、次は東京ドームってなるから、1個だけ残して46都道府県にしておこう?そしたら2016年は残り1個を目標にして、次の年ぐらいで東京ドームって。
タクヤ 急にどうした!?(笑)。
ユーキ よし、言っちゃおう!東京・国立代々木競技場第一体育館で単独ライヴをやりたい!
タカシ いいねぇ。まだ僕らのことを知らない人たちにも知ってもらえるよう、フェスやイベントに参加していきたいです。