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毎日懸賞に応募してたら宅配のおじさんと仲良くなった話

私が大学生の頃、よく懸賞に応募していました。
懸賞というのは、昔でいうと、はがきを出して応募すると抽選で何かしらの景品が当たるってやつです。

知っている人はいるか分からないけど、昔テレビの電波少年という番組で「人は懸賞だけで生きていけるか?」みたいな企画があって、まさにそんな感じです。

ちなみに私はその当時生きてはいましたが番組は見てはいないので、懸賞を始めた頃にYouTubeで見て知りました。

今回は「毎日懸賞に応募してたら宅配のおじさんと仲良くなった」という話しをします。

懸賞を始めたきっかけ

懸賞を始めたのは大学に入って間もない頃です。当時の私はサボり癖とか、遅刻癖とかは一切なく、ただ真面目に学校に行き、授業を聞いていました。

それがだいたい大学一年の春。

まぁ、入ってすぐだったので当り前っちゃ当たり前です。

しかし、入学して3ヶ月。大学の授業とは、自分が想定していたよりも遥かに面白くないということに気が付きました。

あれ、「私の大学生活ってこんなもん?」ってなりました。
私は塾とか、予備校とかは一切行かず、進研ゼミという通信教育を使ってひたすら勉強していました。

この進研ゼミというのは毎月一度教材が届いて、それを解くのですが、教材と一緒に何やら不思議な漫画も届きます。

その漫画の内容は『高校生の主人公が、勉強を頑張って、そんでもって部活も頑張って、文武両道で、テストで80点くらいだったら「うわぁ…こんなひどい点数…」とかわけ分からんこと抜かして、最終的には何の挫折もなくスルリと志望校に合格する』という夢みたいなお話です。

その漫画は眉唾で見ていたのですが、私が3年生にあがり、卒業が近づくと、その漫画の主人公も卒業が近づいてラストスパートをかけます。

そして、最後の最後には、花の大学生活というキラキラした夢の楽園みたいな「大学生ってこんなにいいんだよ」って感じのドラマを見せさせられます。

私はそれを見ながら一生懸命勉強していたものだから、つい「大学とはキラキラして素晴らしいところなんだ」と思っていました。

だから大学に対してはすごい期待してたし、楽しいものばかりだと思ってました。

ところがどっこい、入学してみるとそんなことは全くなかったのです。

数学と物理が好きで、「楽しー」とか思ってたのに大学に入ったら一気に覆されました。

「大学の授業意味わからん」

完全になめてました。高校の数学物理が簡単すぎて、物理においては校内1位、数学は校内順位3位だったから完全に天狗になってました。

だから大学の勉強も楽勝でしょ。とか謎の自信。

3ヶ月で見事に折られます。

量子論が難しすぎた

実際数学はなんとかなりました。量子論だけが意味不明でした。量子論はブラケットとかいうのを使って計算をするんですが、もうわけわからん。そもそも大学の先生はスタート時からブラケットを当たり前のものとして出してくる。あと、一般相対性理論と特殊相対性理論の違いを説明したり。分からないながらも必死にしがみついてた。

あるとき糸が切れた

でもそれは長くは続きませんでした。「あー。もうだめだ、ついていけない」となって、それから一切の量子論を封鎖。

でも授業に出ないわけにも行かないから授業中に何しよう?と考えて、「どうせなら有益なことをしよう!」とか思って出会ったのが懸賞。

授業中に懸賞をする日々

それからというもの授業中にスマホをポチポチしてひたすら懸賞をしていました。(大学は高校と違ってスマホいじってても特に何も言われない)←とはいってもちゃんと(?)筆箱とかで隠しながらやってた。

そして授業の殆どの時間を懸賞に当てた結果。毎週のように宅配が届くようになりました。

あるときは、ちょっと高級なお米と、お皿が届いたり(一人暮らしだったので食料品は助かる)、魔法瓶になっている水筒が届いたり。

中でも高額なものが届いたのはJCBギフト券5万円分。
これはでかかった。他にも「車当たります」とか「100万円分の金貨」とかも応募したけどあえなく惨敗。

それでも毎週のように届く小物、雑貨類。

「これはやめられんな!」と懸賞により磨きがかかっていきました。

宅配のおじさんと仲良くなる

ある日、授業終わり大学にいて、そろそろ帰ろうかなと思ったときに電話がなりました。

出たら宅配のおじさん。
「☓☓さんの電話?荷物預かってるんだけど、すぐ帰ってこれそう?」

なんとも気さくなおじさん。

「すぐ帰りますー!」
そう言って電話を切りました。

実際、すでに帰りの路地で、その場所から走って3分程だったので、すぐに到着。

「ここにはんこ押してくれる?」

「あっ、はい」

「にしても毎週すごい届くね」

「いやまぁ」

こんなやり取りをして、その日の会話は終了。

でもすぐに第2波が来ます。

翌週また荷物が届きました。

ピンポーンとインターホンが鳴る。

「おお、これは重いよー」

おじさん頑張ってくれてます。
玄関で受け取りサインを書く。

折りたたみ自転車でした。

「これは折りたたみ自転車かい。いいねぇ」とおじさん。

私はとっさに「いります?」と聞いてしまった。

実際、一人暮らしで大学から徒歩で行ける距離に住んでいる私にとって、(しかも自転車はすで持っている)折りたたみ自転車など7畳半の部屋を少し狭くするインテリアにしかならないと思った。

するとおじさん「ええ、くれるのかね!」と嬉しそうな表情。

あげました。

それからおじさんは配達の際毎回のように私に電話をかけてくるようになりました。

「今家にいるかい?」

そんな私もある日、懸賞生活に幕を下ろすことになります。

その話はまたどこかで。

では、また。

:)