7月の本#トレンドまとめin2020

読書家が集まる読書メーターで2020年5月-6月にアクセスが多かった本の情報をピックアップ!

注目の新刊から、ドラマ・映画・アニメなどメディア化作品の原作小説、社会情勢を反映した再注目の作品も。
一部作品には試し読みも。ぜひ読みたい本を見つける参考に。

注目のできごと:
緊急事態宣言の解除、2020年上半期 芥川賞・直木賞候補作発表

#コロナ時代の僕ら
コロナ時代の僕ら
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ヴェネツィア

24時間限定公開版で。著者のジョルダーノは作家だが、大学院では素粒子物理学を専攻。本書は、そんな著者によるコロナ禍に対する緊急アピール。分析は数学モデルを用いて冷静沈着になされるが、それを語る思い、さらには今、一人の作家として、そして現代に生きるインテリゲンチャとして、ぜひとも緊急に伝えなければとの思いは熱い。それは、とりわけ「あとがき」に何度も繰り返される「僕は忘れたくない」に顕著に表れているだろう。コロナウイルスから自らを守ることよりも、弱者(さまざまな位相の)を巻き込まないことの責任を強く説く。

ナイス ★550

本読みたぬき

イタリアの30代の物理学者兼作家がコロナ禍のピーク時に書いたエッセイ。理系の冷静と文系の情熱が見事に融合した簡潔で素晴らしい文章。2020年はコロナ禍が世界は有機体のように繋がっていてひとりひとりが構成要素だということを、オリパラに代わって私たちに気づかせた。新規感染者数は減ったけど、われわれはどこへ向かっていくのだろう。

ナイス ★231

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#ロザン菅 京大式
京大芸人式日本史
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鉄之助

巻末の「宇治原チョイス語句」を選んでから、一気に書き上げたような1冊。読むほうも、一気に飛ばし読み。

ナイス ★80

ネトウヨ話しかけてくるな。

わかりやすいです。情報量も抑えめ。ここを突破口に、苦手意識を克服... できるのか?

ナイス ★67

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#太宰治 孫 石原燃
赤い砂を蹴る
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buchipanda3

赤い砂とはブラジルの土。千夏は母の友人・芽衣子とブラジルを訪れる。異国での情緒か、亡き母や弟について回想が巡る。身近な人の死を思うことは気持ちを落ち着かせなくするものだ。それは相手や自分の否定までも甦らせるもので、彼女は母親の生き方への思いを深く考えないようにしてきた。それでも芽衣子との会話やヤマの家族の光景が、千夏に母親の心情へもう一歩踏み込ませ、素直で力強い情動をもたらす。溢れる思いが錯綜するような文章がそれを大いに語っていた。死の話が多いが波乱人生の芽衣子の明朗さからか重くなり過ぎない話となった。

ナイス ★92

雨子

「文學界」6月号にて。前半はなんだか長ったらしく感じて飽きそうになったけれど、起承転結の"転"以降からグッと引き込まれました。『赤い砂を蹴る』…最後まで読むと、このタイトルの秀逸さに惚れる。すてき〜。石原燃さんの今後にめちゃめちゃ期待!

ナイス ★1

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#淡交社 能楽ものがたり
能楽ものがたり 稚児桜
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starbro

澤田 瞳子は、新作中心に読んでいる作家です。能の曲目のストーリー(私は、薪能を一回観ただけの超素人のため、ほとんど解りません)からインスパイアされた8編の時代小説連作短編集でした。オススメは、『やま巡り─山姥』&表題作『稚児桜─花月』&『秋の扇─班女』の3本です♪

ナイス ★201

のぶ

澤田さんの新刊は、能の曲目のストーリーを下敷きにした8編の時代小説集。残念なことに自分は能楽についての知識が全くない。少しでも知っていればより楽しめるのだろうが、それでもどれもよく纏まったものだと思った。30ページ程度のそれぞれの話の中に、人間の怖さ、人情。人の強さや弱さが盛り込まれていて、人生の縮図が詰まっていた気がした。澤田さんの文章は静謐で何とも言えない余韻が残って、とても心地良いものだった。繰り返すが、能楽を知らない事がもどかしい。知った上で読めたらまた違った印象になったかもしれなかった。

ナイス ★112

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#今村翔吾 直木賞候補
じんかん
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starbro

今村 翔吾、2作目です。松永久秀の物語は、何作か読んだことがありますが、織田信長が、松永久秀の半生を語ると言う構成にまず驚かされました。今まで松永久秀≒極悪非道な梟雄というイメージですが、180°ひっくり返り、正に義の人です。歴史は勝者が著わしているとは言え、どちらが史実に近いのでしょうか?いずれにしても圧倒的な快作、本書で直木賞再ノミネート、受賞もあるかも知れません。織田信長も松永久秀も私も無神論者です(笑)

ナイス ★246

いつでも母さん

「誰かが高笑いしているこの世の片隅で、今日も誰かが泣いている」あぁ、何のことはない。あの頃と現代を生きるこの社会と何が違うだろう。誰かは自分ではない誰かではなくて、一人一人の自分なのだー松永弾正久秀。いや九兵衛。なんと好い漢ではないか!夢の為、一生の足跡を、時や運や人との邂逅を今村さんが熱く熱く読ませてくれた。もう魅せられてしまったとしか表現できない。約500頁の人間ドラマ堪能しました。お薦めです。

ナイス ★195

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#アイスプラネット 中2国語 教科書
アイスプラネット
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BlueBerry

課題図書に良さそうな本だと思いました。大人でも勉強になる事が多かったと思います。小説とゆーよりもエッセイみたいな感じかな。

ナイス ★49

アズマ

国語の授業でやったので読んでみました。日本にいるだけでは見えないもの、世界のまだまだ知らないこと、ぐうちゃんの考え方が好きです。 「小さくして考えてみる方法」が面白かったです。

ナイス ★18

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#山月記 現代文 教科書
李陵・山月記 (新潮文庫)
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ヴェネツィア

中島敦の小説の中では、高校の教科書に掲載されることの多い『山月記』がもっともよく知られているだろう。では、彼の最も真骨頂を発揮した作品はといえば、それはやはり『李陵』だ。「漢の武帝の天漢二年九月、騎都尉・李陵は歩卒五千を率い、辺塞虜鄣を発して北へ向った」―この最初の1文から、既に我々読者は紀元前1世紀の広大な中国大陸の辺境へと誘われるのである。そして、中島敦の描く李陵、司馬遷、蘇武、それぞれの運命や行動を追体験するのだ。中篇小説でありながら、あたかも大長編を読んだかのような読後感もまた特筆に値するだろう。

ナイス ★352

優愛

理由も分からずに押し付けられた運命を理由も分からずに受け取って生きていく。人間の心でどうして虎になったのかと考え、気付けばどうして人間だったのかと虎の心で考えている自分への情けなさと恐怖と憤り。人間に還る時間が短くなっていく辛さを私が受け止めてもいいのだろうか。初めて兎を殺し人間の心で苦しむ。そして思う。虎になりきることが出来れば人間の心で悔やむこともなくなるのだと。それがどんなに幸せだろうと。残月、その遠吠えに震える虎としての小さな心。人間が薄れていく夜に、その泣き声が確かに響いた。誰もいない森の中に。

ナイス ★271

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#大河の一滴 世界一受けたい授業
大河の一滴 (幻冬舎文庫)
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kanegon69

20年以上も前に書かれた作品であるが、あれからますます混沌とする現代にも多くの人々の心に沁みるのではないだろうか。本作では世間の通説や常識に対する疑問、死生観、病気、メンタルの保ち方に至るまで五木氏の見解・考え方が謙虚に述べられており、私にとってはとても新鮮な考え方にも出会えた。驚くのは敗戦後に大陸から引き揚げてきた地獄を味わった著者から見ても現代というのはこれほど生きづらいと感じていること。少なくとも著者のようなしなやかな考え方をし、当然とされている価値観・固定概念をもう一度再考する時なのかもしれない。

ナイス ★156

ehirano1

読中はひたすらページを捲り、そして読後は著者から教えを受けたような感覚になりました。そういう意味では著者と対話ができたのかなと、とっても満足のいく読書となりました。再び著者と話したくなったら、再読しようと思います(こういう時、本というのは有難いですね)。

ナイス ★125

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#わたしの幸せな結婚 なろう小説
わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)
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あっか

人気作のようでずっと気になっていました!大正辺りの東洋・西洋入り混じった日本に、異能というファンタジーが加わった世界が舞台。継母・異母妹に虐め抜かれていた主人公・美世の和製シンデレラストーリーです。個人的に(環境的に仕方ないけど)陰気&顔色窺いすぎ女子が好きじゃないのですが、清霞との関係性を築いていく様子は心温まり最後に向かい成長する姿は応援したくなりました。清霞の今までの女性たちへの冷酷無比っぷりをもっと見たかったのと(清霞、意外とチョロくない…?と思ってしまったw)、具体的に国にはどんな異能の敵が→

ナイス ★122

虚と紅羽

美世と旦那様への愛しさでいっき読み。なんだこの愛しさが全開な世界。 パケと粗筋で購入しましたが、なんで一ヶ月も後回しにしたのか過去の自分に問いたくて仕方ない。 そして今表紙を眺めていて気づいたのですが、旦那様の髪紐が……紫………! まだフラグを全部回収してないので続きはもちろんありますよね? ないとは言わせない。

ナイス ★96

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#未来少年コナン原作
新装版 残された人びと
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Tadashi_N

テーマの重さが児童文学を越えている。コナンの原作というより原案。宮崎駿は偉大。

ナイス ★28

林檎依存症

戦争で二つの大国が磁力兵器を使ったことで、地球の地軸が狂い、地震や大津波が発生。結果、世界中の人間が死んでしまう。生き残った人々はいたが、一部は世界を支配しようとし――。未来少年コナンの原作。アニメを知ってると寂寞感が凄い!おじいがいないなんて…><孤島に取り残された後に捕虜となったコナンとハイハーバーで暮らすラナが再会するまで。彼の生命力と彼女の忍耐力。津波がくるのに中々逃げない人には現実味が…。「困ってるときには、お互いに助け合うのは、全ての人間の義務だ」という先生の言葉が印象的。後日談欲しかったな…

ナイス ★14

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#アーヤと魔女原作
アーヤと魔女
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☆よいこ

児童書。孤児院で育ったアーヤ・ツールは、魔女の家に引き取られた。助手をする代わりに魔法を教えてもらおうと取引を持ちかけるが、魔女は手ごわい。アーヤは魔女の家を探検し、魔女の本を盗み見る。▽アーヤのめげない姿がいい。これ絶対アーヤの「あやつる」能力使ってるでしょ~と思いながら楽しんで読めた。▽ダイアナ・ウィン・ジョーンズの遺作。カラーイラストが豊富でページ数もそうなくてよみやすい。

ナイス ★62

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

「子どもの家」で育ったアーヤは魔女の家に引き取られることになりました。でも可愛がってもらえるどころか毎日毎日こき使われて・・。全ページにわたっての佐竹さんのイラストがホント豪華でした。ただ黒猫のトーマスがどうしてもブンダバーに見えて仕方がありませんでしたが(笑)アーヤのどこまでもへこたれないたくましさが良かったです。それにしても著者が昨年亡くなられたことが惜しまれてなりません。未読の本がまだまだあるので読んでみようと思います。★★★★

ナイス ★57

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#アミ小さな宇宙人 大人向け童話
アミ 小さな宇宙人
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p.ntsk@時々覗いてます

10歳の男の子ペドゥリートの前に突如現れた小さな宇宙人アミが円盤で宇宙を旅しながら様々な神秘や宇宙の基本法である愛について説くSFファンタジー。未開世界から文明世界に変わる為に必要なのはより高次なる愛。物語の中で語られるメッセージや事柄には紛れもない“真実”が込められていると思いました。アミのような存在はきっといると信じています。子供向けの優しいファンタジーの体をしていますが中身は示唆に富むメッセージで溢れていて是非とも読んで欲しいシリーズです。表紙とあとがきをさくらももこさんが書かれています。

ナイス ★58

るんるん

好きな女優さんがインスタで紹介されていた本。ペドゥリートは小さな宇宙人アミと出会いUFOにのって宇宙を旅をする。暴力を遠ざける宇宙法に忠実なる美しい星の姿は地球人に生きる姿勢を問いかけ、科学や愛の一致においてはオフィル人との対比が内省と前進を促します。「愛は力であり振動でありエネルギーである」「より進歩した人間ほど、子どものようになってくるんだ」の言葉も印象的。たしかに、無邪気な笑顔のひとは幸せのありかを知っているのだろう。アミさん、私の「愛の度数」はどのくらい?ただちに愛の任務を実践したいです。笑。

ナイス ★28

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#ミステリと言う勿れ ネタバレ
ミステリと言う勿れ (1) (フラワーコミックスアルファ)
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❁かな❁

めっちゃ面白い〜♫「このマンガがすごい2019」オンナ編2位!くりくり天然パーマの大学生、久能整(くのう ととのう)が鋭い観察眼と知識で理路整然と語り事件を解決していく。別に探偵をしているわけでもなく容疑をかけられたり、事件に巻き込まれたりと大変な中、とにかく冷静に話しまくる整くんが頼もしく面白かった!そういう視点から真実が見えてきて事件まで解決してしまうんだぁと関心しまくり!コミックでこんなミステリって新鮮♪整くんのキャラが良くマイペースで飄々としていながら推理ができてかっこいい♡続きを読むのが楽しみ!

ナイス ★145

直人

田村先生のコミックスというと長編化するものが多く,まとめ読みをすることに醍醐味があって,完結してから購入したかったんだが,どうしても読みたくなり購入。 面白い。 おかしな大学生の整(ととのう)の持論にハマる。 「説教くさいヤツだなあ」や「文字多すぎ」にならないところは,さすが田村先生の手腕。 ──で,またこれ大河ものになるのか? 物語的には短い話で完結するようなものなんだが……。

ナイス ★134

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#記憶喪失になった僕がみたせかい
記憶喪失になったぼくが見た世界 (朝日文庫)
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おいしゃん

記憶を喪失するという喪失感がとてつもなく大きいことが、痛いほどに伝わってくる。並の精神なら耐えられない状態で、社会復帰するだけでなく、美術の道に入り手さぐりで切り開いた姿は恐れ入る。

ナイス ★42

kou

とにかく凄い。食事、睡眠、読み書き等々、生まれてからの18年間の記憶を無くしてからの体験記・・・想像を絶するものがあった。そして、各章に挟まれる「母の記憶」は心に重く響く感じがした。本人のやる気、家族や周りの支えがあれば、ここまで出来るんだな!と勇気と共に暖かい気持ちになった。

ナイス ★34

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#池永陽 珈琲屋の人々
珈琲屋の人々 (双葉文庫)
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おしゃべりメガネ

いい意味で、とてもアッサリした人情物語です。喫茶店「珈琲屋」を舞台に、ワケありマスターを中心としたあらゆる人間関係を、それぞれの視点やおかれた状況によって展開していく人間模様は絶品でした。単純にふんわり&ノンビリとした話だけではなく、どちらかというとブラックユーモアよりな話が多く、幾分シリアスになりながらも、各々が‘再生’へむかっていく展開は非常にココロが救われました。人間誰しもが持つココロの‘すきま風’に対し、どんな思いを自分は、そして周囲の人々は持ち得るのか、考えさせてくれるとても素敵な作品でした。

ナイス ★206

ちょこまーぶる

久しく積読本だったんですが、ようやく読みました。商店街で古くからの喫茶店というものは常連客の集う所であり、悩み事を相談する場所でもあるんですね。この本には、様々な人間模様が描かれていて、それを押し付けの言葉とか説教ではなく、普通の会話の中で主人公や常連客の心情で諭していくという素晴らしい人々が描かれています。個人的には、二話目の心を忘れた少女推しですかね。それにしても、こんな喫茶店に出会えないものだろうか?

ナイス ★205

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