厚生労働省が30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.12ポイント低下の1.20倍だった。下げ幅は第1次石油危機後にあたる1974年1月(0.20ポイント低下)以来、46年ぶりの大きさだった。倍率は2015年7月以来4年10カ月ぶりの低水準で、QUICKがまとめた市場予想の平均の中心値である1.22倍を下回った。新型コロナウイルス感染症の影響で飲食業や宿泊業のほか、娯楽業や製造業など幅広い業種で求人数が減少した。
雇用の先行指標とされる新規求人倍率は1.88倍と、前月比で0.03ポイント上昇した。正社員の有効求人倍率は前月比0.08ポイント低下の0.90倍だった。厚労省の担当者は今後の求人動向について「5月後半の経済活動再開にあわせて一部業種で求人を再開する動きがあり、持ち直しの兆しもみられている」と説明している。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕