そして今年4月、100億円という大口の出資が決まった。
吉本興業はNTTと提携し、教育コンテンツを発信するプラットフォーム事業「Laugh & Peace_Mother(ラフ&ピースマザー)powered by NTT Group」を開始すると発表。この事業にクールジャパン機構が参画し、最大100億円まで投入するとしたのだ。沖縄・那覇市を拠点に10月から始動し、5GやVR技術などを活用した映像コンテンツを子供向けに発信する予定だという。
前出の経済産業省関係者が語る。
「『闇営業』問題で何とか早期幕引きを図ろうとしたのも、なかなか記者会見をしなかったのも、こうした政府系の出資事業があったからだ。
とくに今年の事業は、これまでとは規模が違う。予算の桁も違うし、しかもこれまでのようなお笑いライブ主体の路線とは違って、対象となるのは子供たちやその母親たち。このタイミングで、反社会的勢力とのかかわりや杜撰な管理体制がクローズアップされてはたまらないということだ。
だが、問題にフタをしたまま吉本が教育関連事業に関わることは、国民が許すまい。そもそも、お笑いを本業とする会社が教育事業へ進出しようということ自体、違和感を覚える。理解に苦しむ出資だ」
こうした指摘に対し、政府関係者はこんなコメントを寄せた。
「安倍首相当人が吉本を気に入っているから、どうしようもない。世耕さんもノーとは言えないだろう」
なるほど、最近の安倍首相と吉本興業の“親密ぶり”は目に付く。
今年4月には、吉本興業のお笑い劇場「なんばグランド花月」(大阪市中央区)で行われた「吉本新喜劇」に安倍首相がサプライズ出演。大阪で開催されるG20(主要20か国首脳会議)を周知した。また6月には、出演の返礼とばかりに官邸を訪問した「吉本新喜劇」の出演メンバーらを歓待。
まるで“お友だち”扱いである。