「闇営業」問題を巡って批判が殺到している吉本興業について、連携してSDGsの普及活動に取り組んでいる国連広報センターは7月23日、今後も同社との連携は続けるとの意向を話した。センターの根本かおる所長は「ピンチをチャンスに変えて、より良い、より強い会社になってほしい」とハフポスト日本版の取材に答えた。
吉本興業は、2017年から国連と「コンビ」を組み、日本での「SDGs(持続可能な開発目標)」の知名度や意識の向上に携わっている。
SDGsは、世界が抱える課題解消を目指すために国連が2015年に採択した目標。環境保全からジェンダー平等、働きがいや経済成長まで17の項目がある。
吉本興業はこの普及活動の一環として、所属芸人らがSDGsの活動を推進する動画を制作したり、イベントを実施したりしてきた。
(参照: https://www.yoshimoto.co.jp/sdgs/ )
国連広報センターの根本かおる所長によると、芸人が出演する動画の制作は国連が同社側に発注している。金額は「公表できない」という。一方で、吉本興業が行なっているその他のSDGsイベントは同社が独自に主催。国連は「協力」や「後援」として携わっているという。
波紋呼ぶ反社会的勢力への闇営業問題。社長の“圧力“発言も...
一連の問題をめぐっては、吉本興業から処分を受けた宮迫博之さんと田村亮さんが独自に会見し、岡本昭彦社長から圧力とも取れる言動を受けていたことを告発。吉本興業の対応にも厳しい声が寄せられている。
吉本興業の岡本社長は22日、記者会見で謝罪し、今後の対策として「コンプライアンスの徹底」と「芸人・タレントファーストで物事を考える」ことを強化すると宣言した。
SDGsの中には「働きがい」の向上について言及する目標も設定されているが、根本所長は、「今後吉本興業内で枠組みなどが改善、向上に向かうことを期待している」とコメント。
「吉本興業さんは強いコミットメントを持って、SDGsに取り組んでくださっており、とても感謝しています。引き続きこの関係やSDGsの活動は続行します」とし、同社との連携を続けていく意向を明らかにした。
根本所長は関西出身。過去には海外での難民支援の活動の際、「お笑い」の力を実感した経験があるという。今回の問題を受けて、「ピンチをチャンスに変えて、より良い、より強い会社になってほしい」と話した。