保守派応援団が首相に三行半 元産経新聞記者の山際澄夫氏や水島総氏「裏切られた」
2020年06月26日 06時03分 NEWSポストセブン
2020年06月26日 06時03分 NEWSポストセブン
2020年06月25日 07時05分 NEWSポストセブン
安倍政権の強力な支持基盤だった保守層ですら、最近は首相を見限る動きを見せている。
「私は安倍総理には非常な期待を寄せ、支持もしてきましたが、総理は期待に応えてくれなかった」と口にするのは元産経新聞記者で、ジャーナリストの山際澄夫氏だ。
山際氏は、2012年9月の自民党総裁選で、「安倍自民党大応援ツイッターデモ」を展開した熱烈な安倍シンパで、〈安倍総裁が逆転で誕生した時、私たちは夢のような感動を味わい、その場で何度も万歳した〉と明かしている(『WiLL』2012年12月号)。
「8年前、自民党総裁選の応援にSNSで呼びかけた仲間らと日章旗を持って駆け付けたのが忘れられません。大逆転勝利した後は、感涙にむせびました。私たちは、安倍さんに『戦後体制からの脱却』の願いを託したのです。しかし、歴代最長政権となった今、あの時のわくわく感は全くありません。
対北朝鮮でも、尖閣でも国の守りが固まったとも思えないし、終戦70年の安倍談話は『河野談話』『村山談話』を無力化するものではなく、引き継ぐものでした。靖国参拝も中韓への遠慮から一度だけ。憲法改正案は、自衛隊の存在を書き込むと言うだけで志が低い。現状はむしろ『戦後体制の完成』に向かっているとすら思う。このままでは“安倍と共に保守は去りぬ”状態になってしまうと心配しています」
同じく第一次政権時代からの安倍シンパで、森友学園問題が発覚し、安倍政権への批判が集中した直後の2018年3月、「色々あるけど、私たちは安倍政権頑張れと呼びかけたい。負けるな安倍政権!」と首相官邸前で演説していた「日本文化チャンネル桜」代表取締役の水島総氏も、安倍批判へと“転向”した。
「今の安倍総理への評価を言えば、彼の『日本を取り戻す』という言葉にことごとく裏切られたとの思いです。もし本当にこの春に習近平を国賓で呼んでいたら『打倒、安倍政権』と決めていました。野党だけでなく与党内には昔から『親中大政翼賛会』みたいな人たちがいる。ただ、安倍総理は最高責任者として彼らをうまく抑えながら、時には利用もして政権運営をしていくべきだったのですが、『庇を貸して母屋を取られる』ですね。すっかりそういう人たちが大手を振って歩く政権に変質してしまった」
期待が熱かっただけに、裏切られた失望感が強いことを、その冷めきった口調は物語っていた。
※週刊ポスト2020年7月3日号