ロールス・ロイス、新戦闘機エンジンの日英協力に期待
ロールス・ロイスはDSEI JAPANの会場で、将来の防衛用エンジンに関するメディア懇談会を開催した。
懇談会に参加した防衛部門事業開発・フューチャープログラム担当のエグゼブティブ・バイス・プレジデントのアレクサンダー・ジーノ氏は、将来の戦闘機用エンジンの開発では、エンジンコアを小規模に保つこと、熱制御、電力供給の3つが重視されると述べた上で、同社が参画しているイギリス空軍の新戦闘機コンセプト「テンペスト」のエンジンは、強力なレーダーや高エネルギー兵器などの搭載を見込んで、「空飛ぶ発電所(Powerstation in the sky)」になるとの認識を示した。
ロールス・ロイスはエンジンの開発・製造・維持のデジタル化に取り組んでおり、民間機では航空会社から送られてくる同社のエンジンの情報によって構築したビッグデータをサポートに活用している。ジノ氏は機密性の高い防衛部門では、民間機のような形でビッグデータを構築するのは難しいが、透明性のある情報交換のスキームを構築し、そこに同社のアルゴリズムを適用して、メンテナンスやエンジンの取り降ろしなどの時期を予測するシステムを構築できるのではないかと述べた。
ジノ氏はロールス・ロイスは60年以上日本の産業界と良好な関係を構築しており、テンペストのエンジンの開発で協力関係をさらに強化していくことは自然な流れであるとした上で、日本が率先して取り組んでいるエンジンコアの小型化などで日本の技術は不可欠であると述べ、新戦闘機エンジンの日英協力に対する期待を示した。