着物姿のおじいさん作家が文机に向かい、原稿用紙に万年筆でミミズが這っているような文字を書きなぐり…、失敗したら用紙を丸めてごみ箱にポイっ!
 これは昭和の風景だけど、私のイメージは正にそんな感じです。
 当時は、自分の原稿を広く読んでもらうためには、本や雑誌、新聞などに投稿したり、はたまた作家や記者になる必要があったかと。
 
 時代は変わって…今は、表現方法や手段がかなり自由になりました。
 ブログやツイッターを書く、インスタに♯を付けて発信する。なんと書き込むだけで全世界の人に知ってもらえる! 昭和から想像するとまるで夢のような話ですが、その分、短い文章でも伝わる表現力が求められるのが令和。

 短い文章って難しいんだよな、、、ちなみに私は高校時代、バレーボール部でしたが、短歌クラブに入っていました。

 【先生に一つ褒められ 有頂天 また褒められんと 白球を追う】

 今でも覚えているこの一首。レシーブがうまく返せた気持ちを表した青春短歌。
 青いなーバレーボールしかしてないなー。ほろ苦い思い出です。

 …と、話が脱線しました…本題に戻ります。

 現代社会では、原稿を発表するためには様々なスタイルや手段がありますが、その全部に共通するのは”書いた文章で相手に何かを伝える”ということではないでしょうか。

 手紙もメールも、内容が伝わらなければ意味がないですよね。
 コラムやブログもせっかく書いたのに…何を書いているのかわからない! なんて言われたらとっても残念。
 
 文章を生業としている私たちも”伝えるために”日々試行錯誤しながら原稿を書いています。

”このシーンがまるで目に浮かぶように書くにはどうしたらいいかな?””選手が言いたかったのは本当にこの言葉なのかな?”

 それを原稿にまとめる作業を繰り返し。校長の私は月刊バレーボールの編集長でもあるので、編集部員たちの書いた原稿をチェックしたり指導したりしています。
 
その作業中に見つけるのは”こういう風にすると伝わりやすいな”というヒントです。
 学園では、生徒の皆さんの”書きたい、伝えたい思い”を形にするためにポンと背中を押す、僭越ながらそんなご指導ができればと思っています!