Rakuten Miniがロットによって対応バンドに違いがある問題は、ハードウェアではなくソフトウェアに原因がありそうです。
NV設定の編集で正常化できる
Rakuten Miniの対応バンドは公式には
- LTE(FD):
Band 1 (2.1GHz) / Band 3 (1.8GHz) / Band 18 (800MHz) / Band 19 (800MHz) / Band 26 (800MHz) / Band 28 (700MHz APT) - TD-LTE:
Band 41 (2.5GHz) - WCDMA:
Band I (2.1GHz) / Band VI (800MHz) / Band X IX (800MHz)
ですが、LTE B1などに対応していない端末が混ざっています。
WCDMA 1やLTE B1がないため、ドコモ網や海外で通信しにくい可能性があり、そもそも仕様と違うものを出荷するのは品質管理できていないという証拠になります。
eSIMを入れた時にキャリアによって使うバンドが変わるのであればまだマシでしたが、元からLTE B1などがない個体ではeSIMを入れても特に変化は起きません。
電話相談窓口で問い合わせた方によると「Band1対応品を送っているので困る」「(Band1の対応・非対応は) ユーザー側で証明はできない」「海外ローミング時に繋がるかは窓口が違うので答えられない」と回答されたようです。基地局は少ないのに窓口はいくつもあるんですね。
楽天の主張としてはLTE B1対応品しか送っていない、ということなのでハードウェアとしては対応しているのか確かめるため、NV (不揮発性メモリ) を直接編集してみました。
NVを編集するにはDIAGモードに入ることと特殊なツールが必要になります。本来はメーカーのミスをユーザー側で直すようなことはしてはいけないため、ここでは紹介しません。
NVにはLTEの対応バンドを決める「LTE_BC_CONFIG」があり、ここの数値がBand ModeのLTEの部分で表示されるバンドと対応しています。
LTE B1非対応の個体で確認してみると、値は「1237118746652」でした。2進数で各ビットがバンドを示しているのですが、分かりにくいのでNV Calculator (Non-Volatile)で計算させてみました。以下の画像の通り、Band Modeで出るバンドと合致しています。
これを正常な個体と同じバンドになる「1237118746645」に変更してみます。
すると、LTE B1がなかった個体でも以下のようにLTE B1などが使えるようになりました。
NVを編集したことを示すため、WCDMAはそのままにしています。
携帯電話情報でも、EARFCN 475 = LTE B1を掴めていることを確認出来ました。
ハードウェアが違うのであればNVを編集したところで掴めないままになることが多いですが、NVを編集して掴めたということはハードウェアは同一である可能性が高いです。
LTE B1を掴めないのはハードウェアの違いが原因ではなく、ソフトウェア上の設定ミスに原因があると考えられるため、今後のソフトウェアアップデートにて修正される可能性は十分あります。
ただし、楽天側がLTE B1非対応の個体を送ってしまっていることを認めていないため、このまま放置されるかサイレントで修正が入る可能性があります。
楽天がミスを認め、アップデートで解決してくれることを期待します。
【06/10追記】
楽天がついに問題を認めましたが、なんと「製造番号351676110680487以前はLTE B1ありを公式仕様として、それより後のモデルでは非対応を公式仕様とする」というとんでもない対応をしてきました。
常識を覆すのは良い意味でだけにしてもらいたいです。