花街「吉原」…140店のうち3割が閉店も、「チャットレディ―」鞍替えも模索

国内 社会 2020年6月28日掲載

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トルコ風呂からの改称を狙ったのは小池都知事

 コロナの休業期間中、吉原から他の性産業に「出稼ぎ」に行った女の子も少なくないという。あるベテランソープ嬢は「収入が減った分を補うため、デリバリーヘルスと兼業できないか検討しています」と話す。前述の男性店長も「以前は求人や知人の紹介で足りていたけど、今はスカウトに頼らなければ、女の子が集まらない。他業種に流れた女の子たちが戻って来てくれれば良いのですが」と気をもむ。

 こういった状況を受け、吉原界隈でも新規ビジネスを模索する動きが出始めている。ある関係者は「あまり大きな声では言えないのですが、インターネットの中継でつないで、女の子の性的な映像を見ながら話す『チャットレディー』に鞍替えしようかと考えてる。既に女の子7~8人が入れる部屋の契約も進めているところですね」と言う。

 男女の接触はネット回線を通してのみのチャットレディーであれば、コロナに感染するリスクはゼロ。売り上げはシステムや回線を提供する運営会社と、実際に女の子を集め部屋を運営する代理店との間で折半する仕組みだという。この関係者は「ソープランドには絶対に必要なボイラーもいらないし、必要経費は部屋代や人件費、通信代くらいで済むので格段に安い。月に50~60万稼げば、赤字にはならないと踏んでますね」と話す。

 現在はソープランドの名称が一般的だが、かつては「トルコ風呂」と呼ばれていた「個室付浴場業に係る公衆浴場」。この「トルコ風呂」の名称に異義を唱え、政府への陳情など改名活動の先鋒に立ったのが、カイロ大学卒業の肩書を持ち、中東通を自負する当時まだ30代だった小池百合子・現東京都知事だった。トルコからの改称に結果として成功はした。それどころか、存亡の危機に立たされる縁浅からぬ花街の異変に、今ではコロナ対策の陣頭指揮に立つ小池氏は何を思うだろうか。

週刊新潮WEB取材班

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