【シリコンバレー=奥平和行】米カリフォルニア州のニューサム知事は28日、南部ロサンゼルス郡など7郡に対してバーなどの営業を即時停止する命令を出した。すでにバーの営業を再規制したテキサス州やフロリダ州などと同様、新型コロナウイルスの感染が再び広がる兆しが出ており、経済活動の再開に影を落としている。
検査状況をまとめる「COVIDトラッキングプロジェクト」によると、米東部時間28日午後6時(日本時間29日午前7時)時点で28日の米国の新規感染者数は約4万2千人と過去3番目の多さだった。4万人を上回るのは3日連続。カリフォルニアのほかフロリダやテキサス州などで高水準で推移している。
米国でニューヨーク市に次いで人口が多いロサンゼルス市を含むロサンゼルス郡に加え、州南部を中心とする6郡に対してバーやナイトスポットの閉鎖を命じた。また、シリコンバレーの大半が含まれるサンタクララなど8郡では、郡当局にバーの閉鎖を命じることを求めた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(米西部時間28日午後2時時点)によると、ロサンゼルス郡の感染者数は約9万5千人にのぼり、全米の郡の中で一番多い。ニューサム知事は26日の記者会見で、バー営業の即時停止の対象となったインペリアル郡で陽性率が上昇していることなどを指摘し、「州内の15郡について状況を注視している」と説明していた。
新型コロナの感染の再拡大を受けて、カリフォルニア州以外でも飲食店の営業を再び制限する動きが相次いでいる。テキサス州は26日、バーの営業をテークアウトのみとしたり、レストランは収容人数を50%以下に抑えたりすることを求めた。フロリダ州でもバーに対してアルコールの販売を禁じた。