【限定品】サントリー 響12年(SUNTORY HIBIKI Aged 12 Years)

43 500ml

日本国産のブレンデッドウイスキーの中で最高傑作とされるサントリーの「響」。その豊潤な香りと深い味わいには、多くの人が酔いしれています。しかし近年の(傍迷惑な)ウイスキーブームによって、その構成原酒が枯渇。年々ラインナップの減少とともに希少性が急上昇、今では全ての年次品でプレミア価格がつく有様です。 

山崎蒸留所での限定販売



今回ご紹介する「響12年」は、既に終売になった限定品。201610月現在、唯一定価で購入可能なのは、大阪府と京都府の境にある「山崎蒸留所」のファクトリーショップのみです。それも販売されているボトルは一回り小さい500mlで、販売は在庫限りとの事。

購入は“一人一つのみ”と制限されている為、某大陸の国に住む人達によって爆買いされる心配はありませんが、既にネットでは700mlのボトルが16,000円など、プレミア価格に拍車がかかっている状況です。私も蒸留所を訪れた時に1本購入、同行者にも1本購入してもらってストックし、日々大切に飲んでいます。


現在、サントリーが一般に向けて販売している「響」のラインナップは、「Japanese Harmonynon age)」「17年」「21年」「30年」の4種類。“一般に向けて”と言っても、サントリーが提示する定価で買える銘柄は一切無く、ジャパニーズ・ハーモニーを除いては定価の数倍のプレミア価格が常です。かつては響12年のボトルが3千円、響21年ですら1万円超で購入できた時代もあったそうで、出来る事ならば時計の針を戻したい…。

12年物とは思えない豊潤な香り立ち



それではテイスティングしてみましょう。開封しただけで豊潤な香りが漂います。ベリーやラムレーズンを思わせる甘い香り、12年物のブレンデッドウイスキーでここまで香り高い銘柄は、この響くらいなものでしょうか。響12年には、30年以上寝かせた原酒も加えられているそうで、その賜物なのかもしれません。


味は柑橘系の甘さ。後に続く余韻は無く、この点は熟成年数の若いウイスキーを物語っています。しかし良く言えば後味スッキリで、特に主張が薄いので素人向けとも言えますが、この豊かなコクは玄人をも唸らせる一品に間違いないでしょう。

上位酒の響17年と比べると、熟成期間が短い分アルコールの刺激は残ります。しかし大人し過ぎる17年と違って、その刺激が華やかさを演出。私的には、12年の方が高い満足度を得られます。その華やかさが余韻の少なさをカバーし、完成度の高いウイスキーに仕上がっています。

なかなか手が出ないプレミア価格




上記でも触れた通り、響12年は終売となっているのでプレミア価格です。これが終売になった事は、本当に残念無念!下位モデルの「ジャパニーズ・ハーモニー」は必要以上に若い原酒を加えた事によって、独特の臭みを感じる程にまで劣化してしまいました。あれでは折角の「響」が泣きますよ。

かつて無い程のウイスキー人気と、それに肖ってここぞとばかりに値上げに走る業者たち。そしてそれに翻弄されるウイスキー愛好家たち。たった数年ですっかり変わってしまったウイスキー市場、こんな不条理な世にした当事者を恨みます。

自己評価:225 point