4月29日からの全国ツアーを目前に控えた超特急が、“前前夜祭”として4000人もの人数を集めて行われたフリーライヴ。客電が落ちると、中央のステージに向かってアリーナを歩いていくメンバーへ、割れんばかりの8号車の声援が轟き渡った。そんなスペシャルライヴの幕開けは、3月の“男祭り”でも大盛り上がりだった、「超えてアバンチュール」。ふたりずつ背中合わせになったりと、どこから観ても楽しめるよう、360度ステージにぴったりなフォーメーションだ。スピード感溢れる楽曲と歓声に、メンバーの動きも激しさを増していく。ヘドバン、シャウト、さらにはユースケによるユーキお姫様抱っこも。体育座りのリョウガをユースケが手を引いて立たせ、ギュッとハグ。ダンスの合間のそんなやりとりを目にした8号車の悲鳴が、天井を貫く勢いで響き渡る。2曲目の「Superstar」では、ユーキがクラップを煽り、「みなさん、最高の1日にしましょうね!」と、優しく誘導。ラップ入りの曲は、クールなサウンドとメンバーの紹介ラップとをミックス。ひとりずつエントリーされて彼ららしい、個性溢れるステージングを展開した。
MCでは、リョウガが、8号車とのコール&レスポンスを楽しみつつ、ためを効かせながら「4月26日発売のニューシングル「超ネバギバDANCE」、なんと、オリコン、デイ・リ-・1位でぇーす!」と報告。「そんな「超ネバギバDANCE」、みんな、もう聴いてくれていますか?ということは、ダンスも完璧ですよね!?」とカイが8号車を煽り、お待ちかねの新曲を披露!
リョウガを中心にクロスになって回ったり、一列になったりと、目まぐるしくフォーメーションを変えながら、敬礼、うさ耳とキャッチーな振り付けを繰り出していく。コーイチとカイが絡んだり、ユーキのバク転が決まったりと、悲鳴ポイントも盛りだくさん。ヒップを思いっきり振っている彼らのパフォーマンスを後ろからも観られるレア感も、360度ステージならではだ。「カッコいいけどなんかダサイ、そんな素敵な曲!」と新曲を評したリョウガは、「やだ~、お尻見ないで~」と8号車とのコミュニケーションを楽しみつつ、フリーライヴの思い出話へと繋いでいく。
「極寒の地で…」という表現で、真冬のクリスマスイヴに半袖で踊ったとユーキが語れば、別の場所では「CDが全然売れなかった(笑)」とカイ。リョウガが「10何枚とか。お客さんも数十人」と言うと、会場から「えぇ~!?」と驚きの声が上がった。「それなのに、楽屋からステージまで、6、7人のボディガードがついた(笑)」とリョウガが語り、「自分ひとりに5人くらいボディガードがついて、ハリウッドスターの気分やった!」とタカシ。さらに、「立ちたいと思っていたステージに出ることが叶ったとき、みんなが手紙を書いてくれたのを覚えています」とユースケが告白。そんな日々があり、今があるという流れからの、一緒に踊れる曲ですと「Billion Beats」へ。コーイチとタカシの優しい歌声が徐々に力を増していき、ユースケが「あっ、星が!」と片側のステージを指差し、一列に整列。サビ前のタクヤの情感たっぷりのソロダンスなど、勢い重視から表現力の高さを示す楽曲へと、幅の広さを見せつけた。
R&B、HIP-HOP、EDM要素を織り交ぜた「Turn Up」では、タカシのキーの高いラップ、強くて太いコーイチのラップとで畳みかける。ヘヴィーな間奏は7人でガンガン踊り、会場を圧倒。ラストスパートとばかりに超特急、8号車共々火を着けた「バッタマン」は、ライヴごとに成長していくモンスター曲だ。ユースケのシャウトはもちろん、タカシとユースケがおでこをくっつけ合ったり、メンバー同士でおんぶしたりと、ハイスピードな曲に触発されて、何が出てくるかわからない楽しさがある。8号車のコールもタイミング、音量、揃いと全てがハイレベル。そんな熱気を受け、応援団長ばりに声を張り上げ、気合を入れるエネルギッシュなセンター・ユースケ。タカシも「ご乗車ありがとうございます!」とアレンジするなど、まさに8号車がいてこその完成形となっていた。
そして「さぁ、この曲が来ました。みんなの声を聴かせてください!」とユースケが声を張り上げ、「Burn!」へ。コールでもサビ前に8号車を先導し、「この会場をひとつにしたい。この会場に響かせてくれ!行くぞ!せーの!」と、8号車がしっかりと歌い繋ぐ。「みんな、ありがとう!大好きだー!」と叫ぶユースケに、床に座り込んでユーキの足下に抱きつくタクヤ。「これからも、みんなと一緒に、超特急でどこまでもどこまでも走り抜けて行きましょう!」とリョウガがまとめ、あまりに濃いフリーライヴの幕が閉じた。
一度乗車すると病みつきになってしまうのが超特急のライヴ。5周年記念シングル「超ネバギバDANCE」と共に、全国各地の8号車を魅了していくに違いない。
文/根岸聖子